図解
※記事などの内容は2017年3月28日掲載時のものです
理化学研究所と神戸市立医療センター中央市民病院などのチームは28日、他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜細胞を作り、目の難病患者に移植する世界初の手術を実施したと発表した。患者本人の細胞ではなく、京都大が備蓄しているiPS細胞を使うことで、時間と費用を大幅に抑えた。iPS細胞を使った再生医療研究は新たな段階に入った。
移植を受けたのは、視野がゆがみ失明する恐れがある難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者で、兵庫県在住の60代男性。手術は市民病院で28日午後に約1時間行われ、iPS細胞から作った網膜色素上皮細胞約25万個を含む液体50マイクロリットルを男性の右目に注入した。トラブルはなかったという。
術後1年は観察期間とし、その後3年間追跡調査する。理研の高橋政代プロジェクトリーダーは記者会見で、拒絶反応について「絶対に起こってはいけないものではなく、軽い場合は治療していく」と話した。
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