図解
※記事などの内容は2017年1月26日掲載時のものです
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)をブタの受精卵に注入した後、雌ブタの胎内に移植し、体の一部がヒトの細胞でできたブタ胎児に成長させたと、米ソーク研究所やスペインのムルシア大などの研究チームが26日付の米科学誌セルに発表した。
移植から3~4週間後に胎児を取り出したところ、体に占めるヒト細胞の割合は低かった。ヒトiPS細胞が脳神経細胞に変わる様子はなく、筋肉などに変わっていたという。
この研究は将来、ヒトの膵臓(すいぞう)などの臓器をブタの体内で作り、患者に移植する再生医療の実現が目標。その場合は、ブタ受精卵に注入するヒトiPS細胞が特定の臓器に変わるよう遺伝子操作で誘導する。
研究チームはこの実験の前に、マウス受精卵にラットiPS細胞を注入し、マウス胎内に移植する方法と遺伝子操作を組み合わせ、ラットの膵臓や心臓、目を持つマウスの子を誕生させた。ただ、ヒトとブタは種の違いが大きく、ヒト臓器を生み出すには技術の改良を積み重ねる必要があるという。
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