図解

【図解・社会】名古屋大と岐阜大の統合(2019年5月)

名古屋大と岐阜大の統合

国立大、統合で経営力強化=生き残り懸け、動き加速か

※記事などの内容は2019年5月25日掲載時のものです

 一つの国立大学法人が複数の大学を運営できる「1法人複数大学制」(アンブレラ方式)を導入する改正国立大学法人法が、今国会で成立した。法人統合により、経営力や教育・研究分野の強化を目指すのが狙い。少子化が進む中、各地で統合へ向けた動きが相次いでおり、大学は生き残りを懸けた正念場を迎える。
 「一つの法人の下で両大学の持てる力を共有し、地域創生への貢献と国際的な競争力向上を両輪とした発展を目指す。次世代を担うリーダーとなりうる人材を送り出せるよう、一層努めていく」。名古屋大の松尾清一学長と岐阜大の森脇久隆学長は改正法が成立した今月17日、連名で声明を出した。両法人は統合し、2020年4月から新法人「東海国立大学機構」を創設する。
 両大のほか、静岡大と浜松医科大が21年度をめどに統合を目指す。小樽商科大、帯広畜産大、北見工業大の3大学、奈良教育大と奈良女子大もそれぞれ22年度の新法人創設で合意している。
 これまでの「1法人1大学」から、アンブレラ方式では新法人を設立し、その傘下に複数の大学を置くことになる。統合の効果として、各大学が強みとする教育・研究資源を有効活用できる。人事など管理部門の統合で経営の合理化を図り、生み出した財源や人的資源を教育・研究分野に重点的に振り分けることも可能だ。
 文部科学省関係者は「地域の状況にもよるが、経営統合して規模を拡大するメリットは大きい」と指摘する。
 17年に約63万人だった大学進学者数は、18歳人口の減少に伴い、同年をピークに減少局面に突入。40年には約51万人まで減るとの推計もあり、国からの運営費交付金も減少傾向だ。強みを持つ教育・研究分野を共有してブランド力を上げ、受験生への魅力を高めることも期待される。
 文科省関係者は「経営戦略の中で何が最適なのかを考え、他大学とつながることで活路を見いだすところもあるのではないか」と話している。 

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