図解
※記事などの内容は2019年3月26日掲載時のものです
検定を受けた各教科の教科書には、新学習指導要領の特色の一つである、自ら課題を見つけて解決する力を育成する「アクティブ・ラーニング」の考え方が盛り込まれた。
アクティブ・ラーニングは、討論や発表などを取り入れ児童が能動的に学んでいく手法。指導要領では「主体的・対話的で深い学び」と表現され、教科書も教師の授業展開を助けるような構成が求められた。討論などを促す記述は従来もあったが、文部科学省幹部は「印象としては少し増えている」と評価する。
東京書籍の4年の国語教科書では、新美南吉の童話「ごんぎつね」などの本文の前に、1ページを使った導入部を新設。「人物どうしの関わりに気をつけて読もう」「読んで考えたことを伝え合おう」など、以前よりも丁寧な学習目標を掲げた。何を学ぶか児童が自覚できるよう工夫したという。
同社の英語教科書は、海外の地図記号や標識のマークの意味を予想させたり、「mottainai(もったいない)」の合言葉で知られるケニアのワンガリ・マータイさんの話題を通して環境保護を考えさせたりと、社会科や理科など他の教科とつながるページを設けた。
写真やイラストも多用した。担当者は「知りたい、学びたいというものが一つでも見つかったら、そこから深めていけるように」と狙いを説明。全ての教科を一人で教える小学校の教師は、児童が各教科でどんな興味を持っているか把握しやすく、「アクティブ・ラーニングに最も適任」との見方を示した。
教育出版は社会科の冒頭で「学習問題を作って計画を立てる」「問題について調べる」「分かったことをまとめる」「次の学習につなげる」と「PDCAサイクル」(計画、実行、検証、改善)になぞらえた勉強法を紹介。担当者は、「児童が学習過程を見通し、振り返る中で学びを改善できる」と話した。
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