図解

【図解・社会】大嘗宮の悠紀殿・主基殿内部配置(2019年11月)

大嘗宮の悠紀殿・主基殿内部配置

「御座」「坂枕」、謎に包まれた「内陣」=大嘗祭の道具作り―業者も苦労、明暗も

※記事などの内容は2019年11月14日掲載時のものです

 大嘗祭の中心儀式「大嘗宮の儀」で、天皇陛下が新穀を口にして五穀豊穣(ほうじょう)などを願うとされる「悠紀(ゆき)殿」と「主基(すき)殿」には、「寝座」や「御座」といった聞き慣れない場所があるほか、「坂枕」、「入目籠(いりめかご)」という特殊な道具が並ぶ。
 「通常は作らない寸法が多く、材料を集めるのにも苦労した」。畳やござなどを使った道具を作製した東京都墨田区の畳店店主小宮太郎さん(65)は振り返る。  「内陣」と呼ばれる両殿の奥の間は、天皇陛下が祈る場所。その中央部に設置される「寝座」は、長さ32尺(約9.7メートル)のわらこもを四つに折った物を2枚重ねるなどして作製される。神が座るとされる畳「神座」は厚みが2寸(約6センチ)あるという。
 「通常の畳の厚さは1寸8分(約5.5センチ)だが、今回依頼されたものの中で一番厚いものは2寸5分(約7.5センチ)もあった」と小宮さん。29年前の大嘗祭でも父龍司さん(故人)と共に大役を担ったベテランだが、今回は4代目のおい、加藤元靖さん(38)に資材調達の面でも助けられた。
 京都の勉強会でつくったネットワークを駆使し、集めにくくなっているわらは宮城県大崎市から、通常より広い4尺(約120センチ)幅のござは熊本県八代市の業者から仕入れてくれたという。
 「一番気を使ったのは、『白麻』と呼ばれる畳のへり。寝座に置かれる畳でできた『坂枕』に使われるが、汚れたら最後。夏場は神経が擦り減った」と小宮さんは打ち明けた。
 一方で、今回の大嘗祭には関わることができなかった業者もいる。最も重要な調度品として「内陣」に供えられる絹布「繪服(にぎたえ)」と麻織物「麁服(あらたえ)」を入れる竹製の「入目籠」を平成時に父や祖父と共に納めた大分県別府市の岩尾一郎さん(64)だ。
 「希少な竹を用意し、仕事の量も抑えていたが、結局依頼はなかった」。
 9月に妻淑江さんをがんで亡くし、11月には理事長を務める別府竹製品協同組合で作製した巨大竹製オブジェの下で行われるはずだった東京五輪のマラソン開催地が札幌に変更された。
 それでも岩尾さんは「オブジェがある東京・浅草には外国人観光客もたくさん来るし、一般公開される大嘗宮も見に行きたい」と前を向いた。

大嘗宮の悠紀殿・主基殿内部配置
大嘗祭が行われる大嘗宮平面図
大嘗祭・庭積の机代物 都道府県の品目
明治以降の「大嘗祭」
明治以降の悠紀田と主基田

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