図解
※記事などの内容は2019年10月21日掲載時のものです
「即位を内外に宣明いたします」。皇居・宮殿「松の間」で22日午後、厳粛な雰囲気のもと行われた即位礼正殿の儀。みやびやかなしつらえの高御座に上った天皇陛下は、顔を上げて正面を見据え、はっきりとした口調で国内外に即位を宣言された。
宮殿で最も格式が高い松の間には、中央に高御座、その隣に御帳台が置かれた。中庭には「万歳旛(ばんざいばん)」など色とりどりののぼり旗が掲げられ、松の間の正面の軒下は「帽額(もこう)」と呼ばれる横断幕で飾られた。
宮殿には午前中から、国内外の参列者が続々と到着した。えんび服を着て車いすで参列した常陸宮さまを除いて、皇族方は装束や十二単(ひとえ)姿。前回は男女に分かれたが、今回は男性の成年皇族が秋篠宮さまと常陸宮さまの2人だけとなり、秋篠宮ご一家とその他の皇族方に分かれて松の間内に並んだ。
皇嗣の秋篠宮さまは、皇太子用の装束「黄丹袍(おうにのほう)」と「豊後国行平御太刀」を身に着けて臨んだ。参列した宮内庁職員らも多くは伝統装束姿で、宮殿は平安時代の絵巻さながらの景観となった。
午後1時すぎ、天皇陛下が松の間に入って高御座に上り、皇后さまが続いて御帳台へ。「カーン」という鉦(しょう)の合図で参列者が起立すると、高御座と御帳台の紫色のとばりが開かれ、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)を着た天皇陛下、十二単を身に着けた皇后さまが明るく照らし出された。
右手に笏(しゃく)を持ち、「立纓(りゅうえい)の冠」を着けた陛下は真剣な表情で、扇を手にした皇后さまはやや固い面持ち。鼓(こ)が鳴らされて参列者が一礼した後、陛下はお言葉が書かれた紙を小田野展丈侍従長から受け取り、安倍晋三首相を前にゆっくりと読み上げた。
続いて即位を祝う「寿詞(よごと)」を読み上げた安倍首相の発声で万歳三唱が行われた。皇居に隣接する北の丸公園では陸上自衛隊による礼砲21発が撃たれ、辺りは慶祝ムードに包まれた。
この日は朝から雨が続き、装束姿で中庭に立つ予定だった宮内庁職員らの位置が変更されたが、儀式直前にはほぼやんだ。両陛下は万歳三唱の後、壇上から下りて松の間前の廊下から退出。令和の即位礼正殿の儀は30分ほどで終了した。
天皇陛下の歩み
天皇、皇后両陛下の歩み
天皇皇后両陛下入室の経路
即位礼関係儀式の主な日程
即位礼正殿の儀が行われる中庭の配列見取り図と装束・旛類の例
即位礼正殿の儀の式場「正殿松の間」
即位礼正殿の儀の式次
天皇即位パレードの経路
皇室の構成
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