図解
※記事などの内容は2019年5月2日掲載時のものです
天皇陛下即位に伴い、皇后になられた雅子さま。小学校の恩師で日本蛾類学会会長の岸田泰則さん(69)は、大の生き物好きだったという雅子さまの子ども時代やこれまでの交流を振り返り、「自然体でやっていただきたい」とエールを送る。
岸田さんは雅子さまが3年生から編入した私立田園調布雙葉小(東京都世田谷区)で、理科の教員として授業を受け持った。着任後すぐに生物クラブを作り、入部してきたのが雅子さまだった。
雅子さまは家でイモリやカメレオンを飼い、顧問の岸田さんに連れられて昆虫採集に出かけていたという。ウサギやチャボの世話にも熱心で、理科の成績も優秀だった。「4~5人の地味なクラブなので、本当に動物好きな子が入ってきた。非常に印象に残っている」と振り返る。
皇太子妃候補として名前が挙がった時は「びっくりした。最初は同姓同名かと思った」と言う。岸田さん自身が研究者として皇居の生物調査に関わっていたこともあり、結婚後も交流は続いた。
東宮御所(現赤坂御所)のお茶会に招かれた際、雅子さまが「先生、私クワガタムシを飼ってるんです」と突然切り出し、散歩中に見つけたノコギリクワガタを水槽15ケース分も育てていると明かした。長女愛子さまも虫が好きで、「愛子は小さい頃の私と同じなんです」と話していたという。
岸田さんが陛下に趣味の登山について尋ねると、「私は登山が好きなんじゃなくて、雅子と一緒に登山するから楽しいんですよ」という答えが返ってきたという。「よほど雅子さまのことが好きなんだなと思いました。屋久島に『愛子』という名前の焼酎があってうれしかったという話をされたこともあり、お二人をすごく大事にされている」。雅子さまの療養入り後は会う機会がなくなったが、こうした陛下の支えもあり、「心配はしていない」と言い切る。
明治以降の歴代皇后は皇居内での養蚕を伝統としており、雅子さまも引き継ぐ。岸田さんは「カイコの飼育をしたり標本を作ったりしたこともある。何の問題もないし、むしろお好きだと思う」と太鼓判を押す。
「頭がよく、動物にも親しみを持って接することができる方。周囲が過剰に心配したり期待したりせず、自然体でやっていただきたい。それができる方だと信じています」と語った。
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