図解
※記事などの内容は2018年3月30日掲載時のものです
政府は30日、天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位に伴う式典準備委員会(委員長・菅義偉官房長官)の第3回会合を首相官邸で開き、関連式典に関する基本方針を決定した。「即位の礼」の中心的な儀式である「即位礼正殿の儀」は2019年10月22日に実施。今秋をめどに「式典委員会(仮称)」(委員長・首相)を設置し、式典の円滑な実施に向けた準備を本格化させる。
基本方針は「各式典は憲法の趣旨に沿い、皇室の伝統等を尊重したものとする」と明記。「基本的な考え方や内容は踏襲されるべきものだ」と昭和から平成への代替わりの前例を重視した。天皇陛下の「退位礼正殿の儀」は19年4月30日に国事行為として皇居で行われる。
皇太子さまの即位に伴う儀式は五つあり、いずれも国事行為として実施する。19年5月1日の即位に伴い、皇室に伝わる剣や勾玉(まがたま)などを引き継ぐ「剣璽等承継の儀」、新天皇が三権の長らを前に最初のお言葉を述べる「即位後朝見の儀」を行う。
同年10月22日には、内外に即位を宣明する「即位礼正殿の儀」の他、パレードで国民に広く即位を披露する「祝賀御列の儀」を実施し、同日以降、外国元首らを招待する「饗宴の儀」を開催する。政府は回数や招待客の縮小を検討する。
国民の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る儀式「大嘗祭」や、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の「皇嗣」となったことを内外に示すため20年に行う「立皇嗣の礼」の開催時期は示されなかった。
内閣に設置される式典委員会は関連式典の在り方を示した大綱を策定。各府省の円滑な連携のため、内閣府には「式典実施連絡本部(仮称)」(本部長・官房長官)を置く。政府はこうした方針を近く閣議で決定や口頭了解する。
19年5月1日の改元をめぐり、政府は国民生活への影響を配慮し、平成に代わる新元号を事前に公表する方針。天皇陛下の在位30年を祝う19年2月24日の記念式典後とする方向で調整している。
新着
会員限定