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【図解・社会】防衛省の有償軍事援助予算額の推移(2019年9月)

防衛省の有償軍事援助予算額の推移

米国製最新鋭機を次々調達=新型空中給油機は鳥取-大型無人機部隊、三沢に・防衛省

※記事などの内容は2019年9月1日掲載時のものです

 防衛省の2020年度予算概算要求は、米政府の言い値による武器購入と批判が出ている「有償軍事援助(FMS)」が5013億円(契約ベース)となった。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」導入費などで膨らんだ19年度予算より2000億円減少したが、18年度に比べ900億円以上多い。米国製の最新兵器が次々と配備され、安倍政権下でFMS調達の高止まり傾向が続く。
 20年度概算要求のFMSによる「大口買い物」は、ボーイング社製の空中給油輸送機KC46Aの4機一括購入(計1121億円)。防衛省は、一括とすることでコスト削減につながるとしている。
 中期防衛力整備計画(19~23年度)に基づく取得だが、小牧基地(愛知県)にボ社製の別の給油輸送機KC767が4機あり、自衛隊内では「領空侵犯の恐れのある航空機を長時間警戒できる早期警戒管制機(AWACS)をもっと増やすべきではないか」との声も上がる。
 過去の発注分を含め、KC46Aは最終的に24年度末までに計6機取得する予定。初号機納入は20年度で、美保基地(鳥取県)に配備し、飛行隊を新編する計画だ。同基地への最終的な配備機数は確定していない。
 政府関係者は「KC46Aは、導入する米国製最新鋭ステルス戦闘機F35B型への給油が可能だ。給油機を増やすことで、安全保障関連法に基づく米軍への後方支援体制を充実させることにもなる」と説明する。
 空母型に改修する海自護衛艦「いずも」に発着艦可能なF35BはFMSで6機(1機約140億円)の取得費を計上。24年度納入予定で、南西諸島防衛を念頭に新田原基地(宮崎県)などへの配備が有力視されている。
 一方、三沢基地(青森県)配備中のF35AはFMSで3機(1機約103億円)の取得費を求めた。同基地には12機が配備されているが、20年度中に20機を超え、F35Aは2個飛行隊になる見込みだ。
 A型は量産化が進み価格が下がる傾向にあるが、短距離離陸・垂直着陸能力を備え、機体の構造が複雑なB型は単価が高い。導入国が少なかったりした場合、価格が上がる可能性もある。
 このほか、米国製の大型無人偵察機「グローバルホーク」の三沢基地配備に向けた準備部隊「臨時滞空型無人機航空隊」(仮称、約70人体制)の発足も概算要求に盛り込まれた。グローバルホークは過去のFMSで発注済みで1機約170億円。21年度から3機配備される。 

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