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【図解・社会】防衛力整備で導入される長距離ミサイル(2018年12月)

防衛力整備で導入される長距離ミサイル

島しょ防衛、長射程重視=中国対艦ミサイル脅威で-「盾」役割変質も・新大綱

※記事などの内容は2018年12月16日掲載時のものです

 18日にも閣議決定される「防衛計画の大綱」。急激に増す中国の軍事力を念頭に、優先事項の一つに島しょ防衛用の長距離ミサイル保有が盛り込まれる見通しだ。導入するミサイルは射程500~900キロあり、米軍の戦略爆撃機向けのものも含まれる。長距離ミサイル保有は日米安全保障条約上、日本が「盾」、米国が「矛」という役割分担を将来、変質させる可能性もある。
 防衛省によると、中国の公表国防予算は、この20年間で約12倍に増加。中国は海上・航空戦力やミサイルの能力を向上させてきた。新型駆逐艦・フリゲート艦の数は57隻と日本の護衛艦47隻を上回り、日本のF15やF35のような第4・第5世代と呼ばれる戦闘機数も約850機と日本の3倍近く保有する。
 特に日米が警戒しているのが、紛争時に使用される可能性が高い通常戦力のミサイルの長射程化だ。中国は水上艦に搭載する射程約540キロの対艦ミサイルを開発したとされるが、自衛隊が現有する対艦ミサイルの射程は100~200キロ程度。海上自衛隊幹部は「離島侵攻の有事には、自衛隊は相手の艦隊の射程内にかなり接近して反撃することになる」と話す。
 大綱の骨子案は、脅威圏外からの対処を可能にする「スタンド・オフ火力(長距離ミサイル)の獲得」を明記。導入するミサイルのうち米国製のJASSM(射程約900キロ)は貫通力の高い精密誘導ミサイルで、米空軍のB1戦略爆撃機用などとして生産されている。
 目標の位置情報をミサイルに入力し、空自戦闘機で日本領空から発射すれば、北朝鮮内陸部にも届く。建造物など固定された標的なら一定の敵基地攻撃能力を備えることになる。政府は専守防衛を踏まえ「日米の役割分担の中で、敵基地攻撃能力は米国の打撃力に依存している」としているが、専守防衛との整合性を議論しないまま装備化が進むことになる。
 日米防衛協力の指針(ガイドライン)は2015年の改定で、米軍が打撃力の使用を伴う作戦をする場合、「自衛隊は必要に応じ、支援を行うことができる」とされた。米軍に依存してきた敵基地をたたく「矛」の役割に、自衛隊が何らかの形で関与できると解釈されている。 

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