図解
※記事などの内容は2011年12月13日掲載時のものです
政府のエネルギー政策の見直しに向け、発電費用の調査を行う「コスト等検証委員会」(委員長・石田勝之内閣府副大臣)は13日、原子力や火力、再生可能エネルギーなど、発電方法別の試算結果を公表した。原発の発電コストは1キロワット時当たり最低8.9円。東京電力福島第1原発事故を踏まえ損害賠償に掛かる費用などを加算したため、2004年に試算した5.9円の約5割増しとなった。
しかし、燃料費や二酸化炭素(CO2)対策費用がかさむ火力発電、初期投資が高額な再生エネルギーなど他の電源に比べ、なお割安な水準となった。
原発は、事故の賠償や廃炉費用などを約5.8兆円として計算。原子力損害賠償紛争審査会が今月6日に決めた福島県内23市町村の自主避難者らへの賠償費用約2100億円も追加した。また、これまで試算に含まれなかった研究開発費や立地対策費などを盛り込んだ。
事故処理費用が1兆円増加するごとに、1キロワット時当たりのコストは0.1円増加。除染範囲などが拡大すれば、原発の発電コストはさらに増大し、賠償や事故処理などの総額が20兆円の場合は10.2円になるとした。
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