図解
※記事などの内容は2011年4月22日掲載時のものです
政府は22日、東日本大震災の被災地の復旧対策を中心とする2011年度第1次補正予算案を閣議決定した。財政支出額は4兆0153億円で、がれき撤去や仮設住宅整備、ライフライン復旧などの費用を盛り込んだ。財源には、基礎年金の国庫負担割合(2分の1)を維持するための2兆4897億円を流用するほか、民主党のマニフェスト(政権公約)施策を含む歳出見直しなどで確保。厳しい財政状況を踏まえ、国債発行は回避した。
予算規模は、阪神大震災後初の補正予算(1兆223億円)の約4倍となる。野田佳彦財務相は閣議後、「大震災の復旧・復興、日本の再スタートの第一歩となる予算だ」と語った。
1次補正案は28日に国会に提出し、5月2日の成立を目指す。ただ、年金財源の流用など財源の捻出方法には、自民、公明両党に異論が強い。政府・与党は、1次補正の施策は緊急を要するとして、引き続き早期成立に協力を求めていく。
歳出のうち、仮設住宅7万戸分の整備費用などには4829億円を計上。予備費による整備分(1万戸)や賃貸住宅の活用も合わせ計10万戸を用意する。がれき処理には3519億円を充当。また、河川や道路、港湾などの復旧のため公共事業費には1兆2019億円を充てた。
学校や社会福祉など公共施設の復旧に4160億円、中小企業の資金繰り対策などに6407億円を計上。被災地自治体への財政支援として特別交付税を1200億円増額した。
一方、歳入では年金財源流用のほか、3歳未満を対象とする子ども手当増額の見送りで2083億円を確保。また、高速道路料金の休日上限1000円や無料化社会実験を6月で中止し、3500億円を財源に回す。
政府は1次補正に続き、本格的な復興予算となる2次補正を6月にも編成する方針。必要額は10兆円規模にも達するとみられ、復興再生債や復興税の導入など財源の工面が大きな課題となる。
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