図解
※記事などの内容は2019年3月30日掲載時のものです
新元号が4月1日に発表されると決まって以降、インターネットなどでは次の元号を予想する動きが白熱した。昭和天皇の逝去による自粛ムードの中で決まった「平成」とは異なり、天皇陛下の退位に伴う改元。多くの人が予想する漢字からは、新時代の幕開けを祝うムードが透けて見える。
予想1位は「安永」-。年代物ワインのネット販売などを手掛ける和泉屋(埼玉)が昨年7月に始めた新元号の予想キャンペーンは、今月29日現在、応募が1万通を超えるほど盛況だ。
新元号にふさわしい漢字2文字は「安永」(389通)が最多で、「安久」(348通)、「永光」(199通)と続く。ただ、「安永」は江戸時代に使われたことがある。
明治、大正、昭和、平成の頭文字をアルファベットにしたM・T・S・Hと重ならないよう配慮したのか、「安」「永」「和」などの漢字の人気が高い。同社の栗原周平社長は元号予想の人気ぶりに、「新元号発表という歴史的瞬間に立ち会える幸せがあるのではないか」と分析する。
少し変わった新元号予想もある。広告代理店アイ・エヌ・ジー(東京)は今月1日から8日、若者文化の発信地、東京・渋谷で、女子高校生300人にアンケート調査を実施。最多だった「安久」(15人)に次いで「平和」(10人)、「嵐」(5人)が上位に入った。
「タピオカ」や「卍(まんじ)」という女子高生らしい回答もあったが、同社の担当者は「平成最後の、という枕ことばが今の若者の流行語。元号への関心はかつてなく高まっている」と話している。
元号に詳しい東洋大の鈴木洋仁研究助手は「元号がカジュアル化し、天皇のものではなく、自分たちのものとして捉えられるようになった。改元がハロウィーンのような盛り上がるためのイベントになっている。若い世代には、元号が誇りや愛着を持つクールな対象と受け止められているのだろう」と分析している。
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