図解
※記事などの内容は2019年3月13日掲載時のものです
就職活動を経験した同性愛者らの4割超、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの8割超が、面接時の質問や服装などで嫌な思いを経験したことが13日、NPO法人「ReBit」(東京都新宿区)の調査で分かった。2020年春卒業の学生向け会社説明会は1日に始まったが、同法人は「企業の人事担当者らは、就活生の中には性的少数者が一定数いるとの前提に立ち対応してほしい」と指摘している。
同法人は性的少数者の就活支援などを行う団体。LGBTを自認し、18年までの10年間に新卒就活を経験した人に昨年7~9月、インターネット上でアンケートを実施。241人の回答を分析した。
その結果、同性愛者らの42.5%、トランスジェンダーの87.4%が選考時に「性の在り方」に関して困ったことがあったと回答。選択肢を示して複数回答で聞くと、「面接官が性的少数者でないことを前提に質問した」「面接官が性の在り方に否定的な言動をした」「エントリーシートなどで性別記載が必須だった」などが寄せられた。
全体の78.0%が企業にカミングアウトしなかった。理由(複数回答)は「差別やハラスメントを受けるかも」(70.8%)や「採用結果へ悪影響があるかも」(68.9%)などが挙がった。
性の問題について、大学の就職課やハローワークなどの就労支援機関に対し、95.9%が「相談していない」と回答。「どこに相談したらいいか分からない」「相談しても解決してもらえないのでは」などの声が寄せられた。
同法人の薬師実芳代表理事は「就活生がLGBTでないと決め付けた対応はハラスメントにつながり得る。大学などもLGBTの就労支援を行う体制を整える必要がある」と強調する。
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