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【図解・社会】平成を振り返る、2004年10大ニュース

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2004年10大ニュース

国内1位は新潟県中越地方で震度7の地震=2004年10大ニュース

※記事などの内容は2004年12月掲載時のものです

◇国内10大ニュース
1位・新潟県中越地方で震度7の地震、死者40人、新幹線脱線
 10月23日午後5時56分ごろ、新潟県中越地方を中心に最大震度7(川口町)を記録する強い地震があり、死者40人、重軽傷者2850人余りを出す惨事となった。この地震によって1964年の東海道新幹線の開業以来初めて、新幹線(上越新幹線)が脱線。また、避難生活者の中で、肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)による死亡者も出た。母親らとともに地震による土砂崩れに巻き込まれた男児が、92時間後に奇跡的に救出された。
 写真は、【時事通信社】

2位・サマワに自衛隊派遣、1年延長も決定
 政府はイラク復興支援特措法に基づき、昨年12月に自衛隊派遣基本計画を閣議決定。これを受け、陸上自衛隊は1月に先遣隊を派遣、2月からは本隊がサマワで施設補修、医療支援、給水などの活動に当たった。宿営地に迫撃砲弾が撃ち込まれるなど治安が悪化したものの、政府は「日本の国益にかなう」(小泉純一郎首相)として12月9日、さらに1年間の派遣延長を閣議決定した。
 写真は、イラク国旗と日の丸が砂漠の風に翻る中、サマワの宿営地に整列した陸上自衛隊員=2月28日【時事通信社】

3位・アテネ五輪で金メダル史上最多タイの16個、総数は史上最多
 アテネ五輪で日本勢は東京五輪と並ぶ史上最多の金メダル16個の活躍を見せ、メダル総数でも最多の37個を獲得した。柔道では野村忠宏が3連覇、谷亮子も連覇するなど金8。競泳も男子平泳ぎで北島康介が2冠に輝くなど金3。女子マラソンでは野口みずきが日本選手2大会連続金メダルを達成、新種目の女子レスリングでも2階級で優勝したほか、体操男子も団体総合を制し、お家芸復活を果たした。
 写真は、開会式で入場行進する日本選手団=8月13日、アテネ【時事通信社】

4位・イラクで日本人拘束、香田さん遺体で発見、襲撃され2人死亡
 戦後の混乱が続くイラクで日本人が武装組織の人質になる事件が多発した。4月には、ボランティアやフリージャーナリストら計5人が拘束された。いずれも無事解放されたが、10月にテロリストのザルカウィ容疑者が首謀するとみられる組織に拘束された香田証生さんは殺害され、人質事件では初の犠牲者となった。また5月には橋田信介さんらフリージャーナリスト2人が武装組織に襲撃され死亡した。
 写真は、拘束された香田証生さん=10月26日【AFP=時事】

5位・再編問題で球界大揺れ、初の選手スト、オ・近合併、楽天参入
 プロ野球界はオリックスと近鉄の合併に端を発した再編問題で揺れた。合併反対を主張したプロ野球選手会が史上初のストライキを決行したほか、楽天がライブドアと争った末に新規参入球団に決定。来季は、ダイエーを買収したソフトバンクと合わせIT関連企業2社が加わってセ・パ計12球団で行われることになった。このほかドラフト候補だった明大・一場靖弘投手への金銭授与で3人のオーナーが辞任する異例の事態も起きた。
 写真は、ストライキを伝える大型スクリーン=9月17日、札幌ドーム【時事通信社】

6位・台風上陸最多の10個、東京などで真夏日観測史上最多
 日本列島は、度重なる台風の襲来や猛暑など多くの「天災」に見舞われた。この夏、気温30度以上の「真夏日」は東京・大手町70日、大阪市93日、熊本市105日など、全国12地点で記録を更新。熱中症などで病院に運ばれる人が続出した。また、夏から秋にかけて日本に過去最多の10個の台風が上陸、浸水や土砂災害で各地に大きな被害をもたらした。
 写真は、台風23号による大雨で京都府舞鶴市を流れる由良川の水があふれ、水没したバスの屋根に避難して救助を待つ乗客ら=10月21日(第8管区海上保安本部提供)【時事通信社】

7位・三菱東京FGとUFJHDが経営統合で基本合意
 三菱東京フィナンシャル・グループ(FG)とUFJホールディングス(HD)が経営統合することで7月、基本合意した。2005年10月の統合を目指しており、実現すれば世界最大の金融グループの誕生となる。一方、5月にUFJから信託部門を買収することで合意していた住友信託銀行が、UFJ・三菱東京の信託部門の統合交渉差し止めを求める訴訟を起こすなど、統合実現には流動的な要素もある。
 写真は、東京三菱銀行本店(左)とUFJ銀行東京本部【時事通信社】

8位・拉致被害者の蓮池、地村、曽我さんの家族帰国
 小泉純一郎首相は5月に北朝鮮を再訪問し、朝鮮労働党の金正日総書記と会談。拉致被害者の蓮池薫さん、祐木子さん夫妻の子供2人と、地村保志さん、富貴恵さん夫妻の子供3人と一緒に帰国した。曽我ひとみさんと家族3人は7月、インドネシアのジャカルタで再会。米兵だった夫ジェンキンスさんは脱走罪などに問われ、軍法会議で有罪判決を受け収監された。釈放後の12月7日、一家は新潟県佐渡市に移り、新たな生活を始めた。
 写真は、日本に到着した曽我さん一家=7月18日【時事通信社】

9位・参院選で自民敗北、民主議席増
 年金改革や自衛隊のイラク派遣が争点となった7月11日投開票の第20回参院選で、自民党は勝敗ラインの改選51を割る49議席にとどまり敗北、民主党は自民党を上回り、野党で過去最多の50議席を獲得した。公明党は11議席、共産党4議席、社民党2議席にとどまり、2大政党化の流れが一段と加速した。与党は自公両党で非改選も合わせて安定多数を確保、小泉首相は続投を表明した。
 写真は、開票状況を見ながら笑顔を浮かべる民主党の岡田克也代表(左)と、厳しい表情の小泉純一郎首相【時事通信社】

10位・イチロー、大リーグの年間最多安打記録更新
 マリナーズのイチロー外野手は10月1日のレンジャーズ戦で3安打を放ち、1920年にジョージ・シスラー内野手がマークした大リーグの年間最多安打記録(257)を84年ぶりに更新、最終的には262安打まで記録を伸ばした。
 写真は、年間258安打の大リーグ新記録を達成し、観衆の声援に応えるイチロー=10月1日、シアトル・セーフコフィールド【時事通信社】

◇海外10大ニュース
1位・米大統領選でブッシュ氏再選
 4年に1度の米大統領選挙の投票が11月2日行われ、共和党のブッシュ大統領が民主党のケリー上院議員を退け、再選を果たした。接戦となったオハイオ州では、投票資格未確認の暫定票をめぐる混乱も懸念されたが、ケリー氏が敗北を受け入れて決着した。イラク戦争の是非などをめぐり、国を二分する激しい選挙戦が展開されたが、結局、2001年9月の同時テロを受け、ブッシュ大統領の強硬姿勢が支持された形となった。
 写真は、ワシントンで勝利宣言をするブッシュ大統領=11月3日【EPA=時事】

2位・イラク、主権移譲後もテロ・戦闘、米兵の虐待発覚も
 イラクで6月28日、米国主導の連合国暫定当局(CPA)から暫定政府に主権が移譲され、イラク戦争後の占領統治が終結した。しかし、その後も武装勢力によるテロや米軍との戦闘は続き、開戦以来の米兵の戦死者は千人を超えた。国際テロ組織アルカイダ系グループなどによる外国人人質事件も頻発し、治安は一段と悪化。一方、首都郊外のアブグレイブ刑務所を舞台とする米兵によるイラク人虐待事件が発覚、反米感情をかき立てた。
 写真は、バグダッド中心部で起きた自動車爆弾テロ現場=10月4日【AFP=時事】

3位・パレスチナ自治政府のアラファト議長死去
 パレスチナ自治政府のヤセル・アラファト議長が11月11日、入院先のパリ郊外の病院で死亡した。75歳だった。アラファト氏は対イスラエル・ゲリラ闘争を率いて民衆の支持を集め、約40年間、パレスチナの指導者として君臨。1993年にはイスラエルとオスロ合意(パレスチナ暫定自治合意)を結び、ノーベル平和賞を受賞した。しかし、同合意は両者の対立再燃で崩壊。晩年はイスラエル当局により事実上軟禁下に置かれ、指導力に陰りが出ていた。
 写真は、ヨルダン川西岸ラマラで、ろうそくをともしてアラファト氏を追悼する人々=11月11日【AFP=時事】

4位・ロシア南部で学校占拠、330人以上死亡
 ロシア南部の北オセチア共和国ベスランで9月1日、チェチェン独立派武装勢力が学校を占拠、児童・生徒や父母ら約1500人を人質にして体育館内に立てこもる事件が起きた。発生から50時間以上が経過した3日、武装勢力が仕掛けていた爆弾が爆発したのをきっかけに、治安部隊が突入、銃の乱射などで330人以上が死亡する凄惨(せいさん)な幕切れを迎えた。事件後、チェチェン独立派最強硬派のバサエフ野戦司令官が犯行声明を出した。
 写真は、救出された女の子ら=9月3日【EPA=時事】

5位・胡錦濤氏が党中央軍事委主席に、江沢民氏は引退
 中国共産党第16期中央委員会第4回総会(4中総会)は9月19日、江沢民党中央軍事委員会主席の辞任を承認、胡錦濤党総書記(国家主席)が後任に選出された。江氏は2005年の全国人民代表大会で国家中央軍事委主席も退くことになった。これにより、胡氏が党・国家・軍の3つの最高ポストを握り、毛沢東、トウ小平、江氏に続く「第4世代」への権力移譲が完了した。
 写真は、4中総会出席者にあいさつする胡氏(右端)と江氏=9月19日【AFP=時事】

6位・原油相場が急騰、1バレル=50ドルの大台突破
 国際原油市場は、イラク、ロシアの供給不安や、経済発展が著しい中国の旺盛なエネルギー需要、石油輸出国機構(OPEC)の減産などを背景に急騰を続けた。9月27日にはニューヨーク商業取引所(NYMEX)の先物相場(米国産標準油種=WTI)が、時間外取引で心理的に重要な1バレル=50ドルを突破した。その後も原油相場は騰勢を強め、10月後半には同55.67ドルと過去最高値を更新。年末に向かう中で反落したものの、なお高止まりしている。
 写真は、NYMEXで原油を取引する市場関係者=10月25日【AFP=時事】

7位・マドリードで列車同時爆破テロ、スペイン軍がイラク撤退
 スペインの首都マドリードで3月11日、4本の通勤列車内で爆発が起きる同時テロがあり、約200人が死亡した。テロ組織アルカイダ系の過激派によるテロとみられている。直後の14日に行われた下院選挙では、野党・社会労働党がテロ対策やその後の対応で批判を浴びた与党・国民党を破って勝利。社労党書記長のサパテロ新首相は、イラク駐留部隊の撤退を決めた。
 写真は、現場のアトーチャ駅で、爆破された列車内から遺体を収容する救助隊=3月11日【AFP=時事】

8位・北朝鮮核問題めぐる6カ国協議、進展なし
 日米中ロと南北朝鮮が参加する北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議は第2回協議が2月25-28日に開かれ、作業部会設置などで一致。5月の作業部会を経て、6月23-26日に第3回協議が行われた。核凍結の早期実行の必要性などを盛り込んだ議長声明を発表したものの、米国と北朝鮮の対立は解けず、実質的な進展は見られなかった。9月に予定されていた第4回協議は北朝鮮が応ぜず、延期された。
 写真は、北京で行われた第3回協議の北朝鮮代表団(左側)と外務省の藪中三十二アジア大洋州局長(右端)=6月23日【時事通信社】

9位・ロシアが京都議定書批准、来年2月に発効へ
 ロシアのプーチン大統領は11月5日、温室効果ガス削減の国際的枠組みを定めた京都議定書の批准文書に署名した。ロシアの参加で議定書は発効要件を満たし、1997年に採択された同議定書は来年2月に発効することになった。議定書は2008-12年の間に温室効果ガス排出量を、先進国全体で90年に比べ5.2%減らすことを規定している。だが、世界最大の温室効果ガス排出国、米国は01年3月に議定書から離脱。中国、インドなど発展途上国は排出削減義務を負っていない。
 写真は、京都議定書の批准文書に署名するプーチン大統領=11月5日【AFP=時事】

10位・EUが25カ国に拡大
 欧州連合(EU)は5月1日、中・東欧、地中海の計10カ国が新規加盟し、25カ国体制となった。冷戦時代から半世紀余り続いた東西分断の歴史に名実ともに終止符を打ち、米国に匹敵する一大経済圏が誕生した。6月18日のEU首脳会議では、拡大EUの円滑な組織運営を目指す新たな基本条約となるEU憲法を採択した。EUはブルガリアとルーマニアを07年に加盟させる意向。このほか、クロアチアも同年の加盟を目指すなど拡大計画は続く。
 写真は、ブリュッセルでの10カ国の加盟式典で使用された巨大なEU旗=5月1日【EPA=時事】

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