図解

【図解・社会】平成を振り返る、2003年10大ニュース

平成を振り返る10大ニュース(一覧)→
2003年10大ニュース

国内1位は自衛隊イラク派遣決定=2003年10大ニュース

※記事などの内容は2003年12月掲載時のものです

◇国内10大ニュース
1位・自衛隊イラク派遣決定、「戦闘」下で初
 政府は12月9日の臨時閣議で、イラク復興支援特措法に基づき自衛隊を同国に派遣する基本計画を閣議決定した。戦闘状態が続く外国への初の派遣。憲法上の疑義も指摘されたが、小泉純一郎首相は憲法前文の理念に合致した人道支援と強調し、派遣決定に踏み切った。ただ、日本人外交官殺害事件を契機に、陸上自衛隊がテロ攻撃を受けかねないとの派遣慎重論が与党内にも強まり、基本計画に派遣時期は明記されなかった。
 写真は、自衛隊準備訓練で展示された個人携帯対戦車弾(左手前の隊員)、84ミリ無反動砲(右奥の隊員)、軽装甲機動車(手前の車両)、装輪装甲車(奥の車両)=12月11日、北海道千歳市の陸上自衛隊東千歳駐屯地【時事通信社】

2位・衆院選で与党が絶対安定多数、2大政党化進む
 政権選択を最大の焦点とした第43回衆院選は11月9日投開票され、自民、公明、保守新の与党3党が絶対安定多数の275議席を獲得し、小泉政権の継続が決まった。しかし、自民党は単独過半数に満たない237議席と伸び悩み、民主党は177議席に躍進した。共産、社民両党が退潮し、不振の保守新党が解党に追い込まれるなど小政党に厳しい結果となったことと併せ、自民、民主の2大政党制に一歩進んだことを印象付けた。
 写真は、当確のバラを付ける小泉純一郎首相(右)と安倍晋三自民党幹事長(東京・永田町の自民党本部・写真上)。当確候補者の名前プレートに花を付ける民主党の菅直人代表(左)と岡田克也幹事長(東京・六本木の民主党開票センター・写真下)=11月9日【時事通信社】

3位・りそな、足利銀行に公的資金
 政府は5月と11月に預金保険法に基づく金融危機対応会議を開き、りそなグループと足利銀行への公的資金による資本注入を決めた。注入規模はりそな銀行が2兆円前後、足利銀も1兆円前後とみられる。りそな銀は過小資本改善のための増強策だったのに対し、債務超過が判明した足利銀は破たん処理を余儀なくされて株主責任が問われるなど、明暗を分けた。
 写真は、記者会見する勝田泰久りそなホールディングス(HD)社長=5月17日、東京・日本橋本石町の日銀記者クラブ【時事通信社】

4位・景気「底離れ」、株価は4月にバブル後最安値
 日経平均株価は4月28日、7607円88銭まで下落し、バブル後最安値を更新した。その後、りそな銀行への公的資金注入の決定で金融不安が後退したのに伴い、株価は急反発。実体経済も輸出拡大を背景とした設備投資をリード役に、「景気底離れ」を示す指標が相次ぎ、内閣府は9月の景気動向指数(速報値)の基調判断を半年ぶりに上方修正した。
 写真は、バブル崩壊後の最安値を下回る東京株式市場の日経平均株価=4月28日、東京・有楽町【時事通信社】

5位・阪神、18年ぶりリーグ優勝
 阪神が18年ぶりにセ・リーグを制した。87勝51敗2分け。2位中日に14.5ゲーム差をつける圧勝だった。今岡が打ち、赤星が走り、金本、桧山、アリアスが返した。井川、伊良部が力投し、ウィリアムスが締めた。星野監督も巧みな手綱さばきで、くせのある個性派集団をまとめた。観客動員数は球団新の330万人。「だめトラ」の久しぶりの快進撃に、全国のファンが大いに留飲を下げた。
 写真は、胴上げされる星野監督=9月15日、甲子園【時事通信社】

6位・中学生による長崎男児殺害など少年事件多発
 7月1日夜、長崎市の幼稚園児種元駿ちゃん=当時(4)=が家電量販店から連れ去られ、翌2日、市中心部の立体駐車場敷地内で、全裸で殺害されているのが見つかった。長崎署捜査本部は防犯ビデオなどから中学1年の12歳少年を特定し、同月9日、補導した。長崎家裁は9月29日、少年を児童自立支援施設へ送致する保護処分を決定した。
 写真は、立体駐車場横に設置された献花台=7月16日、長崎市万才町【時事通信社】

7位・松井選手、米大リーグで活躍
 巨人から米大リーグ・ヤンキース入りした松井秀喜外野手が、目を見張る活躍。本拠地ニューヨークでの第1戦では、満塁本塁打を放つ鮮烈なデビュー。一時のスランプを乗り越え、レギュラーシーズンの成績は、打率2割8分7厘、本塁打16本、打点はチーム2位の106。オールスター戦、ポストシーズンも含め全181試合に出場し、ワールドシリーズでは日本人で初めて4番に座った。
 写真は、ア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦の8回、同点の生還を果たした松井=10月16日、ニューヨーク【時事通信社】

8位・日本道路公団の藤井総裁を解任
 日本道路公団の民営化問題で、石原伸晃国土交通相は、同公団の藤井治芳総裁(中央)が公団の債務超過を示した「幻の財務諸表」をめぐる国会答弁などで不適切な対応をしたとして、辞任を要求。しかし、総裁は非を認めず拒否し、全面対決に。同相は、公開の場で弁明を聞く「聴聞」を開いた後に解任するという異例の事態に発展した。
 写真は、10月17日午後、東京都港区の中央官庁会議所にて【時事通信社】

9位・北朝鮮の万景峰号入港で厳戒態勢
 不正輸出など数々の疑惑が指摘され、運航を中断していた北朝鮮の貨客船「万景峰92」号が8月25日、約7カ月ぶりに新潟港に入港し、関係当局は空前の規模で、厳重な検査、監視に当たった。拉致被害者家族らは入港阻止を訴えたが、安全性検査(PSC)を通過した同船は平常運航に戻り、毎回、厳戒態勢の中で入港を続けた。
 写真は、8月25日、新潟市の新潟港にて【時事通信社】

10位・辻元清美社民党前衆院議員を逮捕
 辻元清美社民党前衆院議員(左)の秘書給与流用事件で、辻元前議員は7月18日、勤務実態のない政策秘書2人分の給与計約1800万円を国からだまし取ったとして詐欺容疑で、土井たか子党首(当時)の五島昌子元政策秘書らとともに警視庁に逮捕された。
 写真は、初公判のため、五島元秘書とともに東京地裁に入る辻元前議員=11月20日【時事通信社】

◇海外10大ニュース
1位・米英軍がイラク攻撃、フセイン元大統領拘束
 米英軍は3月20日、国際社会が求めていた大量破壊兵器の査察、廃棄に応じないとして、イラクに対する軍事作戦を開始した。圧倒的な軍事力を背景に戦闘は早期に終結。フセイン政権は崩壊し、ブッシュ米大統領は5月1日、事実上の戦闘終結宣言を行った。米英主導の占領が続く中、イラク人による統治評議会も発足し、12月13日には逃亡を続けていたフセイン元大統領が拘束された。
 写真は、バグダッドの広場で引き倒されるフセイン大統領像=4月9日【AFP=時事】

2位・イラクでテロ相次ぐ、日本人外交官2人も犠牲
 イラクでは事実上の戦闘終結宣言が出された5月1日以降もテロや米軍襲撃事件が相次ぎ、8月19日、国連のバグダッド事務所を狙った爆弾テロも起きた。11月29日には日本人外交官2人が北部のティクリット近郊で銃撃を受けて殺害された。イラクで邦人の犠牲者が出たのは初めてで、イラクの戦後復興支援に取り組もうとしていた小泉政権に大きな衝撃を与えた。
 写真は、日本人外交官の遺体を運ぶ米兵=11月30日、イラク・ティクリット【AFP=時事】

3位・新型肺炎(SARS)が中国などで大流行
 中国・広東省で初の感染者が確認された新型肺炎(SARS)は春から北京、香港など中国各地や台湾、シンガポールなどで大流行し、世界保健機関(WHO)は各地域への渡航延期勧告を出した。死者は800人近くに上り、拡大が懸念されたが、5月に入って感染者は減少。6月4日に事実上の終息宣言が出された。
 写真は、予防のため、マスクをする香港市民【AFP=時事】

4位・北朝鮮がNPT脱退、核問題で6カ国協議
 北朝鮮は1月10日、核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言、北朝鮮の核開発をめぐる緊張が一気に高まった。日米中ロと南北朝鮮は8月27―29日、北京で北朝鮮の核問題に関する6カ国協議を開き、協議継続や平和解決、朝鮮半島の非核化で合意したが、12月に予定されていた第2回協議は延期となった。
 写真は、6カ国協議に臨む各国高官=8月27日、北京【AFP=時事】

5位・世界各地で爆弾テロ多発
 3月にイラク戦争が始まって以降、イスラム教徒が多数派を占める国を中心に、世界各地で爆弾テロが相次いだ。5月にサウジアラビアのリヤドやモロッコのカサブランカ、8月にインドネシアのジャカルタ、11月にもリヤドやトルコのイスタンブールで発生。ウサマ・ビンラディン氏率いる国際テロ組織アルカイダと関係のある過激派の犯行とみられている。
 写真は、爆弾テロに見舞われたシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)=11月15日、イスタンブール【AFP=時事】

6位・米スペースシャトルが空中分解
 宇宙飛行を終えて帰還途中だった米スペースシャトル「コロンビア」が2月1日、テキサス州上空で空中分解する事故が発生し、搭乗していた7人全員が死亡した。事故調査委員会は8月、外部燃料タンクから落下した断熱材の一部が左翼前縁部を直撃し、損傷を与えたことが事故につながったとする最終報告書を公表した。
 写真は、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられるコロンビア=1月16日【AFP=時事】

7位・中国、初の有人宇宙飛行に成功
 中国は10月15日、飛行士1人を乗せた同国初の有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げた。同号は地球を14周回り、翌16日に無事帰還した。有人宇宙船の打ち上げ・回収に成功したのはロシア(旧ソ連)、米国に続き3カ国目。中国は名実ともに「宇宙大国」の仲間入りを果たした。
 写真は、宇宙船に乗り込む楊利偉飛行士【AFP=時事】

8位・米財政赤字が過去最悪に、経常赤字も拡大
 米国では財政赤字と経常赤字という「双子の赤字」が再び急増している。2003年度(02年10月―03年9月)の財政赤字は、大型減税やイラク戦費などを受けて過去最悪の3742億ドルに達した。経常赤字も拡大しており、経済協力開発機構(OECD)見通しによると、今年は国内総生産(GDP)比5.0%と、過去最高に達しそうだ。
 写真は、財政赤字見通しを発表する米行政管理予算局(OMB)のボルテン長官=7月15日、ワシントン【EPA=時事】

9位・中東和平のロードマップ提示も、混迷続く
 米国、ロシア、国連、欧州連合(EU)の4者がまとめたイスラエル・パレスチナ間の新中東和平案「ロードマップ(行程表)」が4月30日、双方に提示された。しかし、パレスチナ過激派のテロとイスラエル軍のパレスチナ自治区攻撃の応酬は続き、和平交渉再開の見通しは依然として立っていない。
 写真は、ヨルダン川西岸ナブルス近郊の難民キャンプで、イスラエル軍の戦車の砲身にタイヤをかけるパレスチナ人少年=12月6日【EPA=時事】

10位・米・カナダで大停電
 米北東部や中西部、カナダの広い範囲で8月14日、史上最悪の大停電が発生し5000万人に影響が及んだ。ニューヨークでは全面復旧に丸一日を要するなど、都市機能はまひ状態に陥った。オハイオ州の送電線障害が発端とされ、米国の電力インフラのぜい弱さを露呈する格好となった。
 写真は、写真は電気が消えたニューヨークのタイムズスクエア=8月15日【EPA=時事】

図解・社会

  • 事件・事故(消費者問題含む)
  • 警察・治安(交通・調査含む)
  • 情報・通信(調査含む)
  • 災害・気象(防災含む)
  • 裁判
  • 運輸・交通
  • 健康・医療・科学
  • 安全・危機管理(原発含む)
  • 教育・宇宙
  • 皇室
  • 環境・自然・文化
  • 軍・自衛隊
  • 調査・社会一般・その他
  • 企業不正・疑惑

新着

会員限定


ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ