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【図解・社会】平成を振り返る、1999年10大ニュース

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1999年10大ニュース

国内1位は国内初の臨界事故=1999年10大ニュース

※記事などの内容は1999年12月掲載時のものです

◇国内10大ニュース
1位・東海村核燃料加工会社で国内初の臨界事故
 9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」(JCO)東海事業所で、国内初の臨界事故が発生した。転換試験棟内で大量の放射線を浴びた作業員3人が入院し、うち1人が12月21日に死亡した。JCOが科学技術庁への届け出とは違うマニュアルを作成した上、作業員がこのマニュアルさえ無視して大量のウラン溶液を沈殿槽に注いだのが原因とされた。
 写真は、放射線防護服を着て東海村に通じる道路の通行規制をする警察官【時事通信社】

2位・住友・さくら銀合併、第一勧銀など3行統合と金融再編大展開
 1990年代を通じて不良債権に苦しみ続けた邦銀が、金融ビッグバン時代での生き残りをかけ、共同持ち株会社設立や合併による再編戦略を相次いで打ち出した。99年8月、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が持ち株会社設立による経営統合を発表。10月には住友銀行とさくら銀行の旧財閥系2行も合併で合意した。
 写真は、記者会見を前に握手する西川善文住友銀行頭取(右)と岡田明重さくら銀行頭取【時事通信社】

3位・臓器移植法に基づく初の脳死移植実施
 高知赤十字病院に入院中の患者が2月28日、臓器移植法に基づく初の脳死と判定された。摘出された心臓や肝臓は同日夜から翌日にかけて、待機患者に移植された。その後、各地で脳死移植が相次いで実施された。
 写真は、改めて脳死臨床診断する患者についての記者会見に臨む高知赤十字病院の救急部長(右)と院長【時事通信社】

4位・集団暴行、覚せい剤使用もみ消しなど神奈川県警不祥事発覚
 神奈川県警で9月以降、警察官による不祥事が相次いで発覚した。厚木署集団警ら隊の連続暴行事件と相模原南署元巡査長による証拠品持ち出し事件では、県警幹部らが報道機関に虚偽発表を繰り返し、本部長が引責辞任に追い込まれた。この間、十数件の不祥事が次々表面化。11月には外事課元警部補の覚せい剤使用を組織ぐるみで隠ぺいしていたとして、当時の本部長ら幹部9人が犯人隠避容疑などで書類送検、うち5人が起訴されるなど前代未聞の不祥事に発展した。
 写真は、記者会見の冒頭、頭を下げる神奈川県警の深山健男本部長(右から2人目)ら【時事通信社】

5位・北朝鮮工作船が日本領海侵犯、初の海上警備行動発令
 99年3月23日、日本の領海内で不審船2隻が発見された。海上保安庁の巡視船と海上自衛隊の護衛艦などが追跡して停船命令を出したが、これを無視して2隻とも逃走を続けた。このため、海上自衛隊に初めて「海上警備行動」が発動され、警告射撃などを行ったが停船させることはできず、24日朝に追跡を打ち切った。その後、2隻は北朝鮮の軍港に入港したことが確認された。
 写真は、能登半島北東沖の日本海で撮影された「第2大和丸」の船名を付けた不審船[海上保安庁撮影]【時事通信社】

6位・ガイドライン関連法、国旗国歌法など自自公の賛成で成立
 「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)関連法は5月、参院本会議で自民、自由、公明などの賛成多数で可決・成立した。これにより、「周辺事態」で日本が米軍を支援する枠組みが整った。また8月には、日の丸を国旗、君が代を国歌と定める国旗・国歌法が成立。慣習として使われてきた日の丸・君が代に法的根拠が与えられた。
 写真は、日の丸を掲揚して記者会見する野中広務官房長官【時事通信社】

7位・自自公連立の小渕改造内閣発足
 10月5日、自民、自由、公明3党は小渕第2次改造内閣を発足させた。参院での与党逆転状態は解消され、衆院議席の3分の2を大きく超える巨大与党が誕生した。臨時国会では99年度第2次補正予算や改正中小企業基本法を成立させるなど一定の成果を挙げたが、反面、政策面での調整に手間取ることが多く、自由党が成立を強く求めた衆院比例代表定数を20削減する公職選挙法改正案などいくつかの重要法案が継続審議となった。
 写真は、初閣議を終え、記念撮影に臨んだ第2次改造内閣の閣僚【時事通信社】

8位・日産と仏ルノーが資本提携、自動車業界の国際的再編進む
 自動車業界の国境を越えた再編の荒波は、98年11月の独ダイムラー・ベンツと米クライスラーの「世紀の大合併」に端を発し、日本列島ものみ込んだ。99年3月、経営不振の日産自動車と日産ディーゼル工業は自力再建を断念、事実上、仏ルノーの傘下に入った。
 写真は、資本提携発表の記者会見に臨んだ塙義一日産社長(左)とシュバイツァー・仏ルノー会長【時事通信社】

9位・6月の完全失業率、過去最悪の4.9%を記録
 99年は過去に例を見ない厳しい雇用情勢が続いた。総務庁の労働力調査では、6、7月の完全失業率が史上最悪の4.9%を記録し、300万人を超える人が失業の憂き目にあった。
 写真は、コンピューターで求人情報を検索する人(失業者)に声を掛ける牧野隆守労相(左から3人目)【時事通信社】

10位・新幹線トンネルでコンクリ崩落事故続発
 JR西日本の山陽新幹線で、トンネルの内壁からコンクリート塊がはがれ落ちる事故が6月と10月に相次いで起きた。高架橋からのコンクリート片の落下も相次ぎ、鉄道のコンクリート構造物に広範な劣化が進んでいることが明らかになった。
 写真は、コンクリートの落下事故でめくれあがった屋根を調べるJR職員【時事通信社】

◇海外10大ニュース
1位・北大西洋条約機構(NATO)がコソボ問題でユーゴ空爆
 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のコソボ自治州で起きた民族紛争は、バルカン半島の複雑な民族問題を象徴する出来事となった。北大西洋条約機構(NATO)は、和平案受け入れを拒んだユーゴを空爆し、圧倒的戦力で同国のミロシェビッチ政権を屈服させた。
 写真は、ベオグラード中心部で、炎上するユーゴ・セルビア内務省の消火に当たる消防隊【AFP=時事】

2位・トルコと台湾で大地震
 8月にトルコ西部でマグニチュード(M)7.4の大地震、9月にも台湾で大地震が相次いで発生、多数の建物が一瞬のうちにがれきと化した。台湾では倒壊マンションのコンクリートから、セメントを節約するためと思われる空き缶や新聞紙が見つかり、手抜き工事が指摘された。
 写真は、倒壊した台北の12階建てホテル【AFP=時事】

3位・欧州に新通貨ユーロ誕生
 1月1日、欧州統合の「深化」の切り札とされる欧州経済・通貨統合(EMU)の下で、単一通貨ユーロが誕生した。欧州連合(EU)各国による財政の健全化など長年にわたる周到な準備が実ったもので、これにより国際通貨システムは米ドルとユーロの2大通貨体制の確立に向けスタートを切った。
 写真は、シンボルマークを背景にフランクフルト証券取引所で、ユーロ取引開始のボタンを押す関係者【AFP=時事】

4位・東ティモール住民投票実施、独立支持が78.5%
 8月30日、東ティモールで、インドネシアの統治下での自治拡大か、独立かを問う住民投票が行われ、投票者の8割近くが自治案を拒否して独立を選択した。一方、インドネシアの国権最高機関である国民協議会は10月20日、併合の無効を決議し、東ティモールは国連による暫定統治の下、独立に向けて歩み始めた。
 写真は、ジャカルタの軟禁先の民家で記者会見し、喜びの表情を見せる東ティモールの独立運動指導者シャナナ・グスマン氏【AFP=時事】

5位・キルギスで4邦人技師拉致事件
 中央アジアのキルギスで8月23日、国際協力事業団(JICA)から派遣された日本人鉱山技師らが、イスラム原理主義組織「ウズベキスタン・イスラム運動」の武装勢力に拉致された。キルギス政府などが交渉を続けた結果、4邦人は10月25日午後、無事解放された。
 写真は、解放され、ビシケク郊外のカントの軍用空港に到着した邦人【時事通信社】

6位・ニューヨーク株式、1万1000ドル突破
 米国の景気拡大は99年も続き、クリントン政権は経済面でも「強いアメリカ」を実現した。
 写真は、ダウが史上最高値を更新した12月17日、ニューヨーク証券取引所で取引開始の木づちを振り上げる大リーグ歴代ホームラン王のハンク・アーロン氏【AFP=時事】

7位・北朝鮮が米の制裁緩和受けミサイル発射実験自制を表明
 98年の北朝鮮による地下核施設建設疑惑と弾道ミサイル再発射問題をめぐる緊張は、米朝合意の成立で解消され、危機はひとまず回避された。これを受けて、米国は北朝鮮への制裁を緩和。日本も制裁を解除して北朝鮮と国交正常化交渉予備会談を開くなど米朝、日朝関係に好転の兆しがみられた。
 写真は、北朝鮮のミサイル発射阻止に向けて会談するクリントン米大統領、小渕恵三首相、金大中韓国大統領【AFP=時事】

8位・インドネシア大統領にワヒド氏、メガワティ氏は副大統領
 インドネシアの国権最高機関、国民協議会で10月、大統領選挙が実施され、同国最大のイスラム組織ナフダトール・ウラマのワヒド議長が第4代大統領に選出された。6月の総選挙の結果を受けたもので、民主的に大統領が選ばれたのは事実上、初めて。
 写真は、新大統領に選出され、メガワティ闘争民主党総裁(左)から手を取って祝福されるワヒド氏【AFP=時事】

9位・パキスタンでクーデター、ムシャラフ陸軍参謀長が全権掌握
 5-7月にカシミール地方で激化したインド、パキスタンの軍事衝突をめぐり、パキスタンでは事態収拾をめぐってシャリフ首相と軍トップのムシャラフ陸軍参謀長の対立が深まり、10月中旬、軍部によるクーデターが発生した。同参謀長は非常事態を宣言して憲法・議会機能を停止、自ら最高行政官に就任し、88年の民主化以来11年ぶりに軍政に逆戻りした。
 写真は、国民向けにテレビ演説を行うムシャラフ陸軍参謀長【AFP=時事】

10位・多角的貿易交渉の枠組み決めるための世界貿易機関(WTO)閣僚会議が決裂
 2000年1月に始まる予定だった世界貿易機関(WTO)の次期貿易自由化交渉(新ラウンド)の交渉テーマを決めるため、米シアトルで開かれたWTO閣僚会議が、加盟国の利害が激しく対立し、決裂した。議長国を務めた米国のリーダーシップの欠如や、参加国が135カ国に膨れ上がったWTOの運営の難しさが失敗の原因として指摘された。
 写真は、宣言を採択できず会議の閉幕を告げるバシェフスキー閣僚会議議長(米通商代表部代表)【AFP=時事】

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