図解
※記事などの内容は2018年1月25日掲載時のものです
23日午前9時59分ごろ、群馬県の草津白根山の本白根山(2171メートル)が噴火した。同県草津町の草津国際スキー場で訓練中だった自衛隊員らに噴石が当たり、男性陸曹長(49)が死亡。他の隊員7人とスキー客ら4人の計11人が重軽傷を負った。気象庁は草津白根山の噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げた。
噴火で死者が出たのは2014年の御嶽山(長野・岐阜県境)噴火以来。本白根山は約3000年前に噴火した記録があるが、近年は活動が確認されていなかったという。
噴火による噴石がゴンドラに当たり、窓ガラスが割れてスキー客らがけがをした。草津町役場によると、噴火の影響で停電し、ゴンドラにスキー客らが閉じ込められた。予備電源で動かし、外国人19人を含む乗客ら約80人は山頂駅付近に退避。自衛隊のヘリコプターなどで午後5時10分ごろ、全員の救助が完了した。
防衛省によると、草津国際スキー場で訓練中だった陸自隊員8人が噴石で負傷し、うち1人が死亡。負傷者のうち5人は重傷で2人が軽傷という。現場では当時、陸自第12旅団(群馬県榛東村)のヘリ部隊30人がスキー訓練を行っていた。
防衛省は当初、雪崩に巻き込まれ自衛隊員が負傷したとしていたが、隊員の負傷はいずれも噴石によるものと訂正。雪崩の発生は確認できないとした。
気象庁は23日、草津白根山で午前9時59分に火山性微動を観測し、草津白根山のうち本白根山の鏡池付近で噴火が発生したもようと発表した。東京工業大が鏡池付近から1キロ以上飛散する噴石を観測しており、噴火が確認された。
同庁は午前11時5分に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた後、同11時50分には2から3に引き上げた。
鏡池付近から約2キロ以内では、噴火に伴う大きな噴石に警戒が必要。気象庁は「噴火時と比べ火山性地震は減少しているが、そのまま収まるかは現時点で言えない。しばらくは警戒が必要」としている。
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