図解
※記事などの内容は2016年10月8日掲載時のものです
8日午前1時46分、熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506メートル)第1火口で爆発的噴火が発生した。気象庁は噴火速報と火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。火口から約2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼び掛けている。
気象庁によると、同火口での爆発的噴火は1980年1月以来、36年ぶり。噴煙は天候不良のため地上からは観測できないが、気象衛星で高さ1万1000メートルの高さまで上がっているのを確認した。この噴火により1キロを超える広い範囲に噴石が飛散した可能性がある。
同庁の斎藤誠火山課長は記者会見で、「これ以上の噴火が起こるとはっきり分かるものはないが、同程度の噴火の可能性はあると思って警戒してほしい」と述べた。
熊本県警によると、同県阿蘇市一の宮町の「国立阿蘇青少年交流の家」の窓ガラスに約3センチの噴石が当たってひびが入ったが、噴火に伴うけが人の情報は入っていない。九州電力などによると、阿蘇市では市役所を含む約1600戸で一時停電が発生した。
気象庁によると、南阿蘇村で震度2の揺れを観測した。火山性微動により震度2以上を観測したのは95年1月以来。阿蘇市などでは多量の降灰があり、同庁は火山灰が九州から中四国、兵庫県南あわじ市までの124市町村に降るとの予報を発表した。対象の自治体数は過去最多。
阿蘇山では昨年9月に噴煙が火口から2000メートルの高さまで上がる噴火があり、警戒レベルが3に引き上げられた。その後レベル2に引き下げられたが、今月に入って火山性微動がやや大きくなり、7日朝からさらに活発になっていた。
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