図解
※記事などの内容は2015年5月9日掲載時のものです
長野・岐阜県の御嶽山が昨年9月に噴火した後、熊本県の阿蘇山や山形・福島県の吾妻山、山形・宮城県の蔵王山、神奈川県の箱根山などで火山活動が活発化している。背景には東日本大震災の巨大地震による地殻変動があるとの見方も出ているが、具体的な影響ははっきりしない。気象庁や自治体は御嶽山噴火を教訓として火口周辺の小規模噴火にも警戒を強化したが、観光へのダメージが広がっている。
大震災後の地殻変動は北海道が西へ、関東から四国の太平洋側が北西へ移動する一方、東北地方は東へ移動する形で続いている。東北・関東の余震域以外でも、長野県や静岡県、兵庫県・淡路島で最大震度が6強や6弱の地震があった。
東京大地震研究所の武尾実教授は「地震は誘発された可能性を議論できるが、火山はマグマだまりの場所や組成、年代が分かっていない所が多く、どのように影響しているかきちんと説明するのは難しい」と話す。
さらに、本格的なマグマ噴火に比べると、地下水がマグマに熱せられて水蒸気となり、爆発的に噴出する御嶽山のような水蒸気噴火は予測が困難だ。箱根山についても「マグマの上昇を示す観測データがない。可能性があるのは水蒸気噴火だが、規模までは分からない」(武尾教授)という。
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