図解
※記事などの内容は2017年9月24日掲載時のものです
「1票の格差」が最大3.08倍だった昨年7月の参院選は違憲として、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決が27日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で言い渡される。最高裁で2回続いた「違憲状態」判決を受け、隣接する2県を一つの選挙区にする「合区」を導入した国会の格差是正策をどう評価するのか、判断が注目される。
参院は3年ごとに議員の半数を改選するため、各選挙区の定数は偶数で配分されている。こうした制約から、衆院よりも大きい5倍前後の格差が長年続いてきた。
最高裁は最大格差が5.00倍だった2010年の選挙を「違憲状態」とした判決で、都道府県単位の区割りについて、見直しの必要性に言及。「4増4減」の定数配分見直しで4.77倍となった13年の前回選挙でも「違憲状態を解消するには足りない」と指摘した。
そこで、昨年の選挙では「鳥取・島根」と「徳島・高知」を合区とした上で「10増10減」を行い、3.08倍まで縮小した。改正公選法の付則で、次回選挙に向け「抜本的見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」とも明記した。
高裁段階では、こうした取り組みを不十分な是正策と捉えるか、改革が緒に就いたとみるかで評価が割れた。「違憲状態」が10件に上る一方、「合憲」も6件あった。
一方、地方自治体などには「地方の声が国政に届かなくなる」と合区に批判的な意見も多い。被告の選挙管理委員会側は、都道府県単位の選挙制度の意義は尊重されるべきだと主張。合区解消などを求める自治体の意見書約150通を最高裁に提出した。
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