図解
※記事などの内容は2016年4月28日掲載時のものです
トロッコ列車で知られ、熊本地震で大きな被害を受け運行を休止した第三セクター、南阿蘇鉄道(熊本県高森町)が、全面復旧までに1年以上かかる見通しになっていることが28日、同社などへの取材で分かった。土砂崩れが相次いだ南阿蘇村の住民らが生活の足として利用しており、高森町は、学校が再開する5月9日から代行バスを運行する方針。
南阿蘇鉄道は1986年に営業を開始し、立野駅(南阿蘇村)~高森駅(高森町)の全長17.7キロを結ぶ。通常の列車に加え、週末や観光シーズンなどに1日2往復するトロッコ列車で人気を集めるが、地震でトンネルや鉄橋に亀裂が入るなどし、全線で運行を休止した。
同社が調査したところ、特に南阿蘇村西側の立野地区の被害が甚大で、渓谷にかかる日本初の鉄道用鋼鉄アーチ橋「第一白川橋梁(きょうりょう)」は壊れ、立野駅から東へ約1.2キロの線路上には約250メートルにわたって土砂が流れ込んでいた。
試算では、復旧には30億~50億円が必要と見込まれるが、同社の年間の売上高は約1億円で、財源のめどは立たないという。
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