図解
※記事などの内容は2016年4月19日掲載時のものです
熊本県を中心に相次ぐ地震では、車中泊の女性がエコノミークラス症候群で死亡するなど、災害関連死が起き始めている。新潟大の榛沢和彦医師(血管外科)は同症候群について、「予防には4~5時間おきに運動したり、水分を取ったりすることが重要だ」と話す。
東日本大震災の直後、福島県内の避難所約80カ所で約2000人を対象に調査した福島県立医科大の高瀬信弥医師(心臓血管外科)によると、同症候群の発症率は通常2%程度だが、避難所では10%程度まで高まった。特に車中泊が3~4泊以上になると、足に血栓(血の塊)ができやすくなる。
運動や水分補給以外でも、「弾性ストッキング」と呼ばれる締め付けの強いストッキングを着用したり、ふくらはぎをマッサージしたりすることで、予防につながるという。
病気を避けるためには、「まずは避難所の中で孤立させないこと。『独りじゃない』『みんなでがんばろう』という雰囲気が大切」と高瀬医師は話す。十分な睡眠が取れる環境や、トイレやごみ処理など衛生面の整備も重要だという。
熊本地震での避難が長期化する中、18日には車中泊していた熊本市内の女性(51)が、同症候群により死亡。他にも心肺停止状態となるなど、重症者が出ている。
厚生労働省は19日、ホームページにエコノミークラス症候群の予防についてのQ&Aを掲載した。アドレスはhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121802.html
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