図解
※記事などの内容は2016年11月22日掲載時のものです
22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、福島、茨城、栃木各県で震度5弱の揺れを観測した。気象庁は福島県と宮城県の太平洋側沿岸に津波警報を、青森県から伊豆諸島にかけては津波注意報を発令。同6時49分に福島県いわき市小名浜で60センチ、同7時6分に相馬で90センチ、同8時3分に宮城県の仙台港で1メートル40センチなど、岩手県から東京・八丈島にわたる広い範囲で津波を観測した。同庁によると、震源の深さは約25キロ。地震の規模(マグニチュード=M)は7.4と推定される。
政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。青森、岩手、宮城、福島の各県と茨城、千葉両県の太平洋側沿岸の自治体は、住民に避難指示を出した。福島県警によると、矢吹町で女性(70)が落ちてきた食器が頭に当たり軽いけがをしたほか、福島市の男性(69)も家具がぶつかり足に軽傷を負った。仙台市でも2人、千葉県松戸市でも1人がけがをした。
気象庁の中村浩二地震情報企画官は記者会見し、「今回の地震は東日本大震災の余震域で起きた。今後1週間は同じ最大震度5弱程度の地震に注意が必要」と述べた。東日本大震災の本震(M9.0)は陸と海のプレート境界で起きたが、今回の地震はそれより浅い陸のプレート内部で起きた正断層型だった。仙台港で観測した津波の高さは、東日本大震災後最大。
東京電力によると、午前6時10分ごろ、福島第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が停止したが、同7時47分に再開した。同6時半すぎには福島第1、第2原発でそれぞれ高さ1メートルの津波を観測した。東北電力と日本原子力発電によると、停止中の女川原発と東海第2原発、廃炉中の東海原発で異常は確認されていない。
JR東日本によると、東北、上越、北陸、山形の各新幹線が一時運転を見合わせた。日本航空によると、仙台空港発着の2便を含む計10便が欠航。全日空も同空港発着の計16便が欠航となった。
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