図解
※記事などの内容は2019年2月17日掲載時のものです
東京都東部の墨田、江東、足立、葛飾、江戸川5区は17日、台風や高潮による大規模水害時の避難について、シンポジウムを開いた。昨年8月にまとめた避難計画は、高潮と洪水が同時に起きた場合、約250万人が被災すると想定。シンポジウムを通じ、他の自治体に逃れる「広域避難」の検討を住民に呼び掛けた。
5区は隅田川や荒川など大きな川に面し、海面より低い土地も多い。過去の台風被害などを基にした被害想定では、最大10メートルまで浸水。2週間以上水が引かない地域があるとされる。
浸水域内にとどまる住民が多いと、全員を救助するには相当の時間がかかる。電気や水道が使えなくなり、生活が困難になる危険性もある。
そこで、5区は強い勢力の台風や豪雨が東京に迫ると予想された場合、3日前から対応を協議。1日前までに、住民に自主的な広域避難を呼び掛ける。
洪水発生が目前に迫ったと判断した場合、マンションや公共施設などの高層階に移動する「垂直避難」を指示する。
ただ、公的な広域避難場所は5区や国などの検討が続いており、まだ決まっていない。現状では住民が各自で探す必要がある。
シンポジウムで講演した片田敏孝・東京大特任教授は、250万人の避難は行政だけの備えではできないと強調。「行政頑張れではなく、住民も一体となって犠牲者を出さないようにしなくては乗り切れない」と呼び掛けた。
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