図解
※記事などの内容は2018年1月18日掲載時のものです
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午前6時6分、小型固体燃料ロケット「イプシロン」3号機を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。約52分後に小型観測衛星「ASNARO(アスナロ)2」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。
イプシロンは、小型衛星を低コストで打ち上げることを目指し開発された。3段式で、日本の主力大型ロケットH2Aのロケットブースターを第1段に転用するなどコストを削減した。飛行実証は3号機で完了し、4号機から本格運用に入る。
イプシロン計画の責任者を務める井元隆行プロジェクトマネージャは記者会見で、衝撃や振動の少ない「衛星に優しい」ロケットを実現できたと述べ、「さらに使いやすい、もっと競争力のあるロケットにつなげていきたい」と意気込んだ。
3号機は全長26メートル、重さ95.6トン。より重い衛星が打ち上げ可能な強化型で、衛星を切り離す際の衝撃が小さい分離装置と、予定軌道へ精密に誘導する小型推進装置の改良型を備える。打ち上げ費用は約45億円で、将来は30億円を目指す。
アスナロ2は夜間や雲が広がる天候でも地表を観測できる。新興国への輸出拡大を目指した経済産業省の補助事業で開発された。小型で高性能ながら、短期間に低価格で製造できる。
アスナロ2は地球上空を少しずつずれた軌道で回り、地表をくまなく観測する「太陽同期準回帰軌道」を周回。イプシロンがこの軌道に衛星を投入するのは初めて。
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