図解

【図解・社会】金井さんが力を入れる宇宙実験(2017年12月)

金井さんが力を入れる宇宙実験

成果求め、実験多数=医学系など積極参加-金井さん

※記事などの内容は2017年12月17日掲載時のものです

 海上自衛隊の医師出身で、宇宙実験に強い意欲を見せる金井宣茂さん(41)。約半年間の国際宇宙ステーション(ISS)滞在中、日本実験棟「きぼう」で行われる約30の実験を中心に、幅広い分野の科学実験に携わる予定だ。
 「健康長寿のヒントは、宇宙にある」をキャッチフレーズに掲げる金井さん。「宇宙医学を地上の臨床や研究に応用するのがISSの存在意義」と語り、生命・医学系実験への関心は高い。昨年運用が始まったマウスの飼育装置では、ストレス防御遺伝子を無くしたマウスと、通常のマウスを一定期間飼育。生きたまま地上に戻し、ストレスに対する反応を遺伝子レベルで調べる。
 民間企業の参入で創薬の基盤として確立しつつあるたんぱく質の結晶成長実験や、アルツハイマー病の原因とされるアミロイド繊維の形成を調べる実験なども行う。飛行士自身が「実験台」となる医学系の研究は任意だが、ヤクルトに含まれる乳酸菌を継続して摂取し、腸内環境や免疫機能の改善効果を調べる実験などに、金井さんは積極的に参加する。欧州などが行うものを含め、十数種類の実験に参加する見込みだ。
 月や火星などへの探査を見据えた技術実証もある。メンテナンス不要の水再生装置の試験のほか、船内ドローン「イントボール」に撮影を任せることで作業負担が軽減できるかも確かめる。
 このほか、きぼうの装置を使ったケニア初の人工衛星放出や、日本を含むアジア各国の高校生らが提案した物理実験など、国際貢献や教育に資する活動も行う。
 2008年3月に運用を開始したきぼうは、金井さんの滞在中に10年の節目を迎える。年400億円の投資に見合う成果が常に問われる中、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15年、課題解決型研究や民間企業の参入など五つの目標を定めた「利用戦略」を策定。成果が見込める実験を重点的に実施している。 

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