図解
※記事などの内容は2017年12月17日掲載時のものです
【バイコヌール(カザフスタン)時事】国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在に臨む金井宣茂さん(41)ら日米ロの宇宙飛行士3人が乗ったロシアのソユーズ宇宙船が17日午後1時21分(日本時間同4時21分)、中央アジアのカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。約9分後に高度約200キロの地球周回軌道に入り、打ち上げは成功した。ISSへのドッキングは日本時間19日午後の予定で、約半年間滞在する。
金井さんは海上自衛隊の医師出身で、2009年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士候補に選抜された。今回が初飛行で、日本人では12人目。
宇宙滞在中、ISSの日本実験棟「きぼう」では約30の実験が行われる。金井さんはたんぱく質の結晶成長やマウスの飼育実験などのほか、超小型衛星の放出や材料科学の実験なども担当する。
またヤクルト本社との共同研究で、飲料に含まれる乳酸菌を継続的に摂取し、腸内環境や免疫機能への効果を調べる実験など、自らを被験者とした医学実験に多数参加する。ISSの医療担当者として、他の飛行士が急病になった場合の措置などにも当たる。
ソユーズは2013年以降、打ち上げ後6時間でISSに到着する運用を行ってきたが、今回は軌道調整の関係などから、打ち上げ2日後の到着となる。
金井さんは来年6月3日までISSに滞在し、ソユーズ宇宙船でカザフスタンの草原地帯に帰還する予定。
◇金井飛行士の略歴
金井 宣茂飛行士(かない・のりしげ)1976年東京生まれ。2002年に防衛医科大を卒業し、外科医、潜水医官として自衛隊大湊病院(青森県)などで勤務。09年9月、宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士候補に選ばれた。11年7月、国際宇宙ステーション(ISS)搭乗宇宙飛行士に認定。15年8月にISS長期滞在クルーに任命された。
新着
会員限定