図解
※記事などの内容は2016年12月20日掲載時のものです
2013年に打ち上げられたイプシロン1号機は、自動点検システムやITによる打ち上げ管制の簡素化など、「利便性の改革」(開発責任者の森田泰弘JAXA教授)を成し遂げた。一方で、2段目と3段目のエンジンは先代の「M(ミュー)5」用をほぼそのまま流用するなど、打ち上げ能力の面で、やや物足りない部分があった。
JAXAは1号機の打ち上げから約3年をかけ、性能を強化。2段目エンジンを新規開発し大型化することで、1号機に比べ打ち上げ能力を約3割向上させたほか、エンジンの配置を工夫し、より大きな衛星を搭載できるようにした。
科学衛星専用だったM5と異なり、イプシロンでは実用衛星の打ち上げも予定されている。競争力強化のため、コスト削減や使い勝手の向上も課題だ。
2号機はロケットの構造部材を簡素化。部品も少なくし、工数を減らすことでコスト減につなげた。高価な宇宙専用部品も、信頼性を確認した上で民生用部品に置き換えを進めている。次の3号機では、H2Aロケットで採用された衛星分離時の衝撃を緩和する装置を搭載。衛星側の負担を減らす試みも取り入れるなど、改良を続けている。
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