図解
※記事などの内容は2016年9月30日掲載時のものです
火星と木星の間にある「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(すいせい)」を観測してきた探査機ロゼッタについて、欧州宇宙機関(ESA)は日本時間30日朝から、地表の詳細な画像を撮影しながら降下させた。同日夜に計画通り衝突し、2004年3月の打ち上げ以来、12年半にわたったミッションが終了した。
ロゼッタは14年8月から同彗星を近くで観測し、同年11月には子機フィラエを史上初めて着陸させて地表を調べた。氷とちりから成る彗星は「汚れた雪だるま」と呼ばれ、謎に包まれていたが、同彗星が昨年8月に太陽に最接近して温度が上がった際も、ガスやちりを激しく噴出する様子を観測し、解明に大きく貢献した。
ロゼッタは30日午前5時48分ごろ、高度約19キロでエンジンを約3分半噴射して降下を始め、同日午後7時40分ごろに地表に衝突した。同彗星は頭部と胴体がつながったような形をしており、大きさは長い部分で約4キロ。衝突地点は子機が着陸したのと同じ頭部にあり、地表に開いた大きな穴の内側からガスなどが噴出する様子を観測するのが最終任務となった。
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