図解
※記事などの内容は2018年12月8日掲載時のものです
家庭用除雪機による事故死が後を絶たない。事故は積雪シーズンの初めから中盤に多いとされ、昨季は全国で8人が死亡した。北海道や東北地方では強い寒気の流入で本格的な積雪シーズンが始まっており、消費者庁は安全装置の正しい使い方の徹底などを呼び掛けている。
除雪機は回転する金属刃で雪をかき、投雪口と呼ばれる部分から雪を飛ばす構造。ハンドルに付いている安全装置のレバーを握ると、刃が回転して走行し、手を離すと止まるタイプが多いという。
消費者安全調査委員会(消費者事故調)によると、昨季(2017年11月~今年3月)に起きた事故は、北海道や秋田、新潟など計11道県で90件。8人が死亡、46人が重傷を負った。事故調が利用者を対象にアンケートしたところ、約6割が60歳以上だった。全体の35.8%が大事故につながりかねない体験をしたことがあると回答した。
負傷者が出た事例を事故調が分析した結果、(1)エンジンをかけたまま金属刃の前に立つ(2)レバーをひもや工具で固定して作業する(3)投雪口に手を突っ込み、詰まった雪を取り除く-などの危険行為が確認された。
特に、レバーを固定する行為は、除雪機がすぐに停止する煩わしさを避けるため頻繁に行われているとみられる。しかし、レバーを固定してしまうと、除雪機が転倒しても運転を続けるため、利用者がひかれたり、回転刃に巻き込まれたりして非常に危険という。
消費者庁消費者安全課は「安全装置のレバーは必ず手で操作するとともに、内部の機器で指を切断する恐れがあるので投雪口には手を絶対入れないで」とした上で、「除雪機を後進させる際は、特に転倒しないよう気を付けてほしい。作業時は周囲に人がいないかも確認して」と訴えている。
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