図解
※記事などの内容は2020年1月17日掲載時のものです
農林水産省は和牛の受精卵や精液(遺伝資源)の海外流出を防ぐため、法規制に乗り出す。不正転売などへの差し止め請求を認め、悪質な場合には刑事罰を適用する。欧米やアジアで人気が高い「和牛ブランド」の保護を徹底し、輸出拡大を後押しする狙い。20日召集の通常国会に新法を提出する方針。
新法では、生産者が長年改良に取り組んできた和牛の遺伝的特徴を「知的財産」と見なす。2018年には受精卵を中国に大量に持ち出そうとする事件が発覚した。高値で取引される和牛の海外繁殖を許せば、輸出拡大への障害となるのは必至で、畜産農家らから事実上野放しだった流出対策を求める声が強まっていた。
このため、農水省は遺伝資源の売買契約について、特定の都道府県での利用に限るなど条件を明確化するよう促す。その上で、新法では条件に違反する転売や横流し、繁殖を差し止められるようにするほか、悪質なケースへの罰則規定を設ける。和牛には植物新品種のように得られた成果を開発者の権利として守る制度がなく、侵害行為を規制する必要があると判断した。
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