図解
※記事などの内容は2017年8月21日掲載時のものです
学校法人「森友学園」の補助金不正受給事件で、大阪府から運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)への補助金計約9254万円をだまし取ったなどとして、大阪地検特捜部は21日、詐欺と詐欺未遂の容疑で前理事長の籠池泰典容疑者(64)と妻の諄子容疑者(60)を再逮捕した。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。
特捜部は同日、虚偽の申請で国の補助金をだまし取った詐欺罪で両容疑者を起訴。関与した設計業者らは起訴猶予とした。特捜部は近畿財務局職員が学園に国有地を不当に安く払い下げ、国に損害を与えたとする背任容疑でも告発を受理しており、関係者の聴取を進めている。
再逮捕容疑は、勤務実態のない人物や兼務を持つ職員を専任と偽って申請し、週5日以上勤務する「専任教員」の数に応じた「私立幼稚園経常費補助金」を、2014~17年に計約2198万円過大に支給させ、だまし取った疑い。
また、障害で支援が必要な園児数に応じた「特別支援教育費補助金」について、支援実績や保護者の同意を偽った申請書を提出し、12~16年に計7056万円を詐取したほか、17年までに計約2273万円をだまし取ろうとした疑い。
府は5月に計約6200万円分の詐欺容疑で刑事告訴したが、特捜部は押収資料などから計約9200万円分が詐欺に当たるとした。大阪市も要支援児を対象とした補助金435万円分で不正があったとして、詐欺容疑で告訴している。
申請手続きは主に籠池容疑者が行っていたという。諄子容疑者も幼稚園の副園長を務め、運営に関与していた。
特捜部は国と府の補助金の不正受給容疑で6月に関係先を家宅捜索。7月31日、学園が計画した小学校建設に絡み、国の補助金5600万円を詐取した疑いで同容疑者夫妻を逮捕していた。
森友学園をめぐる問題は、学園の小学校用地として国有地が鑑定評価額より約8億円安く払い下げられていたことが2月に発覚。政治家の関与などの疑惑も次々浮上し、国会で追及された。
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