図解
※記事などの内容は2019年12月12日掲載時のものです
電力会社に対する法人事業税(都道府県税)について、他の一般企業と同様の課税方式を一部で導入することが決まった。地域独占が担保された電力会社には、経費を差し引いた後の所得ではなく、収入金全体をベースにした課税方式を例外的に適用し、重い負担を課してきた。しかし、近年の小売り自由化による競争激化などを踏まえ、70年ぶりに見直しを実施。電力会社にとっては実質的な減税で、都道府県の減収額は約40億~50億円と見込まれる。
2016年度の小売り事業自由化の他、20年度には送配電事業を発電・小売り事業から切り離し、分社化することが義務付けられるなど、電力会社をめぐる環境が変化。経済産業省などが新規参入業者と同じ課税方式への見直しを求めたのに対し、全国知事会など地方側は「要望通り見直せば1500億円以上の減収になる」などと強く反発した。
政府・与党は自治体財政への影響がなるべく小さくなるよう調整。最終的に、発電・小売り事業全体の税収のうち約2割分について、他の企業と同じく従業員らの給与総額などに応じた課税方式を導入することにした。
これに伴い全都道府県で約180億円の減収となるが、電力会社に対して特例的に認めている軽油引取税(都道府県税)などの減免措置を19年度限りで廃止し、減収額を約40億~50億円に圧縮。さらに地方交付税による穴埋めも行い、原子力発電所の立地県などの大幅減収を避ける考えだ。
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