図解
※記事などの内容は2019年9月30日掲載時のものです
日本の消費税率は、世界的に見て高いのか低いのか。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、海外34カ国(付加価値税のない米国を除く)の消費税率の平均は19.6%と、日本より高い。日本は負担する税金の割には一定水準の社会保障を受けられ、「中福祉・低負担」と言われる。
ただ、巨額の財政赤字を抱え、膨張する社会保障費のツケを次世代に回し続ける現状はいつまでも続くものではない。日本は負担を増やすのか、福祉水準を下げるのか、難しい選択を迫られる。
高福祉・高負担の代表国とされるスウェーデンの消費税率は25%と高い。負担が重い半面、大学までの学費が無料など恩恵は大きい。低福祉・低負担とされる米国では政府が徴収する消費税がなく、州や市が税率を定めて小売売上税(地方税)を取っている。
日本では酒類を除く飲食料品の税率を8%に据え置く軽減税率を今回初めて導入するが、海外ではOECD加盟国の大半が実施している。
消費税などの税と社会保障の負担率を比較すると、日本は42.8%(2016年度)で、これまでおおむね右肩上がりに伸びている。スウェーデンは58.8%(16年)、米国は33.1%(16年)だ。
福田慎一東大教授は「社会保障を手厚くするのであれば応分の負担が必要だ」と指摘。政府が9月20日に立ち上げた全世代型社会保障検討会議について、福田氏はさらなる増税か社会保障費の削減か、国民全体を巻き込んだ議論が不可欠だと強調している。
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