図解
※記事などの内容は2019年1月1日掲載時のものです
2019年に導入から30年の節目となる消費税は、10月の10%への増税に向け正念場を迎える。少子高齢化時代の社会保障財源と期待されてきたが、引き上げに対する国民の反発は強く「常に政治に左右されてきた」(財務省幹部)。軽減税率と2兆円規模の対策などで、政府は景気への打撃を最小限に抑えたい考えだ。
消費税は、1989年4月に竹下登首相の下、税率3%で導入。宝石などぜいたく品に適用した旧物品税が廃止され、欧州の付加価値税(VAT)をモデルにモノやサービスの消費一般に対する課税が始まった。税率は97年4月に5%、2014年4月に8%へとそれぞれ引き上げられた。
課税対象が広く、景気動向に左右されない消費税は所得税や法人税と並ぶ基幹税に成長。19年度予算案では19兆円強と、税収の3分の1を占める。
消費税には低所得者ほど負担感が増す「逆進性」の問題があり、国民の強い反発を受けてきた。政界では「鬼門」とされ、導入直後の89年夏の参院選、5%の翌年に行われた98年夏の参院選は、ともに与党の自民党が大敗している。
12年の民主(当時)、自民、公明の3党合意を踏まえ、安倍晋三首相は予定通り8%に引き上げたが、10%への増税は2度延期した。景気への悪影響を懸念したためだ。今回は、飲食料品や新聞の税率を8%に据え置く軽減税率の導入や、キャッシュレス決済で最大5%還元するなどの2兆円規模の対策で10%への引き上げに備える。
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