図解
※記事などの内容は2018年11月26日掲載時のものです
政府は26日、経済財政諮問会議や未来投資会議などの合同会議を開き、来年10月の消費税率10%への引き上げに伴う景気対策の原案をまとめた。主に食料品を対象とする軽減税率や増税と同時に実施する幼児教育・保育の無償化などの恒久措置と、キャッシュレスで買い物をした場合のポイント還元などの暫定措置を組み合わせる。還元率は5%、期間は来年10月から2020年の東京五輪・パラリンピック開催前までの9カ月間で検討している。切れ目ない対応で増税後の景気の腰折れを防ぐ。
安倍晋三首相は合同会議で、「ポイント還元は期間を集中し、十分な還元率を確保する」と強調。「自動車の保有について税負担の軽減措置を検討し、消費をしっかり下支えする」と語った。
14年4月に消費税率を5%から8%に引き上げた際、消費低迷が長引いたことを教訓に、デフレに逆戻りする事態を防ぐ政策を総動員する。増税で得られる税収などを財源とするが、対策費が過大に膨らめば「本来の財政健全化の目的が見失われる」と批判されるのは必至だ。
消費者へのポイント還元率は、中小の小売店でクレジットカードやスマートフォンのQRコードなどを使って決済した場合、増税幅を3%上回り、実質減税となる。政府は先進国の中で遅れているキャッシュレス決済の普及も図れると見込んでいる。
5%還元と並行し、低所得世帯や0~2歳児を抱える家庭に対し、公費で上乗せして購入価格以上の買い物ができる「プレミアム付き商品券」を発行。さらに、20年4月以降はマイナンバー(社会保障と税の共通番号)カード取得者が買い物に使えるポイントの加算も始める見通しだ。
消費増税をめぐっては、価格の高い住宅や自動車の購入支援措置も講じる。保有段階でかかる自動車税の負担軽減に加え、住宅ローン減税の控除期間(現行10年)の延長と中低所得者に現金を支給する「すまい給付金」の拡充が柱となる。
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