図解
※記事などの内容は2017年12月14日掲載時のものです
8年ぶりのたばこ増税は、一般的な紙巻きたばこと火を使わない加熱式たばこで、それぞれ段階的に行う。紙巻きは2018年以降、3回に分けて増税。市場が急拡大している加熱式は、税額を紙巻きに近づけるため、18年から5年連続で増税、新課税方式に移行する。喫煙者の減少や税額の低い加熱式の普及による税収減を食い止めるため、布石を打った格好だ。
現在、紙巻きの税額は1本当たり12.244円。これを18年、20年、21年に1円ずつ、計3円引き上げる。20本入り1箱の税額は計60円上がる計算で、たばこ各社も今後、製品価格の値上げ幅を本格的に検討する見通しだ。
加熱式は、日本たばこ産業(JT)など3社が国内で製品を販売。現在は葉タバコを詰めるスティックなどの重量を基に税額を計算している。しかし、税額は紙巻きより低く、社ごとにばらつきもあるため、重量に加え小売価格も勘案して税額を決める方式に改める。需要への影響なども考慮し、22年10月まで5回に分けて緩やかなペースで増税を実施、新方式に移行する。
現在の小売価格を基に試算すると、紙巻きと比べた場合の税額は、JTの「プルーム・テック」が約7割、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」が約8割、米フィリップ・モリスの「アイコス」が約9割となる。
一方、たばこ税の使途をめぐる議論はあいまいなまま終わった。同税は19年10月の消費税率引き上げ時に導入する軽減税率の財源としても有力視されるが、自民党内には慎重論もある。消費増税を見送らない限り、19年度税制改正で軽減税率の財源を決定する必要があるため、来年末には議論が紛糾する可能性もある。
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