図解

【図解・行政】RCEPをめぐる構図(2019年11月)

RCEPをめぐる構図

年内妥結へ大詰め協議=関税撤廃でせめぎ合い-RCEP閣僚会合

※記事などの内容は2019年11月1日掲載時のものです

 日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国など計16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の閣僚会合が1日、バンコクで開かれる。4日の首脳会合を前に、目標とする年内の妥結へ大詰めの協議となる。せめぎ合いが続く関税撤廃・削減をめぐり、ぎりぎりの調整が続きそうだ。
 先週就任した梶山弘志経済産業相は1日の記者会見で「国会に対応するのは閣僚の重要な責務だ」として自身は欠席し、牧原秀樹経産副大臣が代わりに出席すると説明した。RCEPを主導してきた日本の閣僚が最終局面で不在となるだけに「影響は避けられない」(元政府担当者)。日本の存在感の低下につながる恐れもある。
 RCEPは2013年に交渉が始まり、昨年11月の首脳会合で19年中の妥結を目指す方針を確認。これまでに約20の交渉分野のうち、18分野でおおむね合意に達した。
 米中摩擦が長期化する中、中国は米国を含まない多国間の枠組みであるRCEPの妥結を急いでいる。米国に代わる市場の確保に加え、同国をけん制する狙いもあるとみられる。今年の議長国のタイも「成果を出したいとの思いは強い」(交渉筋)といい、6年が経過した交渉は妥結への機運が高まっている。
 ただ、徴用工問題を背景に冷え込んだ日韓関係や、中国からの輸入増加を警戒するインドなど、各国の立場は複雑だ。利害が最も対立する関税撤廃・削減で「政治判断で決着できるかどうかが焦点」(経産省幹部)となる。
 特に、中国製品の流入を懸念するインドは慎重姿勢を崩しておらず、インドネシアやベトナムなども貿易自由化に警戒感が強い。中国は10月にインドと非公式の首脳会談を開き、貿易措置も協議したとみられ、インドが年内妥結を意識し姿勢を軟化させるか注目される。
 冷え込む日韓関係も懸念材料だ。外務省幹部は「通商交渉に影響はない」と強調するが、韓国内で反日感情が高まれば、「韓国政府が対日関税引き下げで国内理解を得るのは難しくなる」(元政府担当者)として、最終的にRCEPの関税協議に響くとの見方もある。

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