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【図解・行政】日本を取り巻く通商交渉の枠組み(2018年10月)

日本を取り巻く通商交渉の枠組み

「TPP水準」で攻防=農産品の対米関税交渉

※記事などの内容は2018年10月31日掲載時のものです

 日本政府は、環太平洋連携協定(TPP)を離脱した米国との間で、来年1月中旬にも2国間の物品貿易協定(TAG)交渉を始める。トランプ米政権が日本車の対米輸出に高関税の適用をちらつかせる中、米側が強く要求する農業分野の市場開放を「TPP水準」以下で着地できるかが焦点だ。
 9月末の日米首脳会談後に発表した共同声明では、TAG交渉で扱う日本の農林水産分野の自由化水準について、牛肉関税を9%(現在38.5%)まで引き下げるTPPなど過去の経済連携協定の合意水準が「最大限」と明記した。
 TPP11に加え、来年2月には日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)も発効する見通しで、EU産豚肉などの市場開放が進む。
 自民党農林族議員は「米国の農業団体には、日本市場で不利になる焦りが強まっている」と分析。米国がTAG交渉で、TPP以上に農業分野で踏み込んだ譲歩を迫りかねないと警戒する。
 トランプ米大統領は2国間交渉で自国に有利な条件を引き出す手法を重視し、多国間の経済連携の枠組みに歩み寄る兆しは見えない。仮に、日本がTPPの合意水準以上に農業分野を自由化することになれば、米国がTPPに復帰する動機はさらに失われる。
 もともと「中国包囲網づくり」の側面もあったTPPは物品関税の撤廃・削減だけでなく、知的財産権の保護や貿易・投資の先進的なルール導入が特長。外務省幹部は「ルール作りはいずれ米国が入る形が理想」として、トランプ政権後も視野に入れて米国を巻き込む構想を練るが、先行きは見通せない。

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