図解
※記事などの内容は2018年4月26日掲載時のものです
日米両政府は、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による新貿易協議を6月中旬にも始める。今月中旬の安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談で設置が決まった通商交渉の新たな枠組み。ただ、多角的貿易体制を重視する日本と、2国間交渉を主張する米国の思惑は異なり、協議は難航が予想される。
トランプ米政権は2017年で約690億ドル(約7兆5000億円)に上った対日貿易赤字を問題視し、輸出拡大を狙っている。11月に控える中間選挙を意識し、日米の自由貿易協定(FTA)締結を念頭に、牛肉など農産物の関税削減のほか、「非関税障壁」と批判する自動車の安全基準緩和などを迫るとみられている。
日本は環太平洋連携協定(TPP)の意義を訴え、離脱した米国の復帰を促す方針だ。多国間での貿易自由化やルールづくりを重視しており、米国を除く新協定「TPP11」を早期に発効させ、参加国数も増やし、包囲網を築きたい考え。
茂木氏はTPP新規加入に意欲を示すタイを近く訪問する方向だ。韓国やインドネシア、コロンビアなどもTPP参加を目指しており、日本政府関係者は「参加国の拡大は米国対策になる」と指摘する。ただ、トランプ大統領は「TPPには復帰したくない」と発言。新協議で進展がなければ、3月に発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の適用対象から日本製品を外さない姿勢もちらつかせている。
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