図解
※記事などの内容は2018年3月8日掲載時のものです
【サンティアゴ時事】日本やオーストラリアなど環太平洋連携協定(TPP)に参加する11カ国は、チリの首都サンティアゴで8日午後(日本時間9日未明)、離脱した米国を除く新協定「TPP11」の署名式を開く。茂木敏充経済再生担当相をはじめ11カ国の閣僚らは署名式に先立って会合を開き、新たに参加を希望する国・地域の加入を歓迎することなどを盛り込んだ声明を採択する見通し。
茂木再生相は署名式前、オーストラリアなどの閣僚と2国間会談を行う。閣僚会合では早期発効に向け、発効までの手続きなどを日本が主導する意欲を示すとみられる。
参加各国の国内総生産(GDP)が世界全体に占める割合は、米国離脱前に約4割だったが、離脱後は約13%に縮小した。参加各国が当初期待した米国の復帰に関して、トランプ大統領は今年、より米国に有利な条件を求める「再交渉」を前提に検討する意向を表明。各国は保護主義的な米国の動向に警戒感を強めており、11カ国での発効を優先させ、再交渉を回避したい考えだ。
新協定では、2015年10月に米国を含む12カ国で大筋合意した農産物・工業製品の関税減免措置などを維持した。一方、米国が主張した著作権保護期間の延長など貿易・投資ルール分野の計22項目は、米復帰までの間、凍結することにした。
新協定は署名後、参加国の過半数が国内手続きを済ませ、協定事務局を務める「寄託国」に通告してから60日後に発効する。
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