図解
※記事などの内容は2017年12月21日掲載時のものです
政府は21日、離脱した米国を除く11カ国が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)発効に伴い、国内総生産(GDP)が実質で7兆8000億円(約1.5%)押し上げられるとの試算を公表した。経済効果は、米の参加を前提とした2015年時点の試算13兆6000億円から4割減の大幅な落ち込みとなる。
今月妥結した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)では、実質GDPが5兆2000億円(約1%)のプラス効果を見込んだ。
試算では、関税以外の要素も幅広く考慮した。関税の削減・撤廃に加え、物流や電子商取引などの域内貿易規制が統一されれば輸出入コストが減り、貿易量が増えると想定。両協定の経済効果のうち半分は、貿易円滑化に伴って生産性が高まると所得拡大、消費促進、雇用増加につながるといった中長期的な循環効果が占める。
GDP押し上げ効果の内訳を見ると、個人や家計の「民間消費」は、TPPが4.7兆円相当(約0.9%)、日欧EPAが3.1兆円相当(約0.6%)。失業者が出ない前提で試算すると、それぞれ新たに約46万人、約29.2万人の雇用を生み出すとしている。一連の効果が発揮されるまでに「発効後10~20年」(政府関係者)かかる見通しだ。
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