図解
※記事などの内容は2017年9月21日掲載時のものです
米国を除く日本やオーストラリアなど環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国の首席交渉官会合が21日、東京都内で始まり、離脱した米国抜きの新協定「TPP11」の早期発効に向け、議論を加速させた。各国が求める凍結・修正項目数は70を超えており、専門の作業部会で絞り込む基準について集中的に検討した。
議長国の日本は、豪州、ニュージーランド、シンガポールを加えた4カ国で共同歩調を取り、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの大筋合意に向け、議論を主導したい考え。梅本和義首席交渉官らは前日から4カ国会合や2国間協議を重ね、凍結・修正を最小限にとどめるよう各国に働き掛けた。
初日は、米国を含む12カ国で決めた現在の協定内容を見直すため設置した作業部会での調整に多くの時間が割かれた。具体的には、特許侵害などから企業を守る「知的財産」と「知財以外の全般」、新協定発効に向けた「法的手続き」の3作業部会。
米国の復帰まで実施を先送りする「凍結扱い」で11カ国が既に一致したのは、知財分野のうち「医薬品データ保護期間」と「特許期間の延長」。知財以外では「政府調達」「国有企業」などの見直しが候補に挙がっているが、作業は遅れ気味だ。
今回の東京会合には、11カ国が総勢80人規模の代表団を派遣した。8月末に豪シドニーで開いた前回会合で様子見姿勢だったベトナムを含め、各国からの凍結・修正要求が出そろいつつある。今後も要求が増える可能性もあり、日本は絞り込み作業を加速させる。
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