図解
※記事などの内容は2019年12月23日掲載時のものです
政府は、自治体、病院など公的機関が保管する健診結果や電子カルテの情報と、民間のスマートフォンアプリで集めた運動量などの健康情報を統合して一体運用できる新システム構築の検討に入った。国民が自身のさまざまな健康データを簡単に活用できるようにし、疾病・介護予防を効果的に進めるのが目的だ。
内閣官房や厚生労働、経済産業省などが来年6月をめどに基本的な方向性を整理。来夏にまとめる政府の全世代型社会保障検討会議の最終報告に盛り込む方向で調整する。
将来的には、乳幼児健診から学校健診、社会人の職場健診に至るまで長期にわたる国民の健康データを時系列で分析できるようになる。アプリやウエアラブル端末のデータを医師が見て、普段の運動や食事などの状況を正確に把握した上での診療も可能となる。
新システムは、自身の医療・健康情報を個人が主体的に管理できる「パーソナルヘルスレコード」(PHR)の考えに基づき運用。個人のアクセス許可を受けて、医師ら専門家に情報提供できる仕組みとする。
政府内では、膨大な健康情報を一元的に保管できるよう、クラウド上に巨大データベース(DB)を作る案も検討されている。
一方、DBから情報を引き出すには、データと個人を結び付ける「通し番号」が必要。マイナンバーカードを活用する方法が想定されるが、世論の拒否感が強いとみて、健康保険の被保険者番号も含め、幅広く検討する。
電子カルテは、現在も一部自治体などでその地域の病院同士で共有できる仕組み作りが進んでいるが、互換性が低く、全国規模でのカバーはされていない。政府は、ウエアラブル端末などのデータも含め、DBに蓄積する情報の項目や様式などを統一するガイドライン整備も進める方針だ。
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