図解
※記事などの内容は2018年3月23日掲載時のものです
健康保険の加入者本人と扶養家族の保険証番号が同じで個人を識別できないため、厚生労働省は現在のものに2桁付け足して、一人ひとり違う番号を割り振る検討に入った。2019年7月から新たな保険証に順次更新し、健康診断結果などの継続管理に役立てる。保険を運営する企業や自治体の費用負担に配慮し、小幅な仕様変更にする。
現行の保険証は世帯別に番号が付いており、個人の識別が困難。氏名や生年月日、健診結果なども保険運営者が保管し、転職などで加入保険が変わるとデータを引き継げなかった。
そこで同省は個人別の保険証番号を割り振り、診療報酬の審査業務を担う「社会保険診療報酬支払基金」などでデータを一元管理することにした。加入保険が変わっても、継続管理が可能になる。
同省は当初、16桁程度の新しい個人別番号を生成する考えだったが、システム改修費がかさむことが判明。また医療費の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」に世帯合算の仕組みがあるため、現行の世帯ごとの番号も引き続き必要となった。
このため同省は、現在の番号の末尾に2桁付け足して個人識別する意向。改修コストを抑え、世帯と個人の両方で必要な情報を管理する。受診先の医療機関で番号を正確に入力するため、QRコードを並べて印刷する案もある。
保険証の切り替え対象は、国内在住者1億人程度で、20年7月末までに終える。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険証番号は既に個人別に割り振っており、対象外だ。
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