図解

【図解・行政】年金支給額改定の新ルール(2016年12月)

年金支給額改定の新ルール

給付抑制で将来水準確保=低所得者への安全網課題-年金改革法

※記事などの内容は2016年12月14日掲載時のものです

 年金給付額の抑制を柱とする年金制度改革法が14日、成立した。少子高齢化が進む中、将来の給付水準を確保するのが目的で、物価が上昇しても現役世代の賃金が下がれば支給額を引き下げる新ルールを導入する。現役世代向けの年金を増やすため、厚生年金の加入対象を拡大する規定なども盛り込んでいる。
 抑制策の柱は主に2点。1点目は、給付の伸びを物価や賃金の上昇率より低くする「マクロ経済スライド」の強化。2004年に導入されたが、デフレ時には適用しないため、実施したのは15年度の1回だけで、給付額が下がらず財政悪化を招いた。このため、デフレ時に低くできなかった分を景気回復時にまとめて低くする仕組みを18年度から導入する。
 ただ、景気低迷が続けばマクロ経済スライド強化の効果が十分に発揮できない可能性がある。このため、景気にかかわらず毎年発動すべきだとの声も根強い。
 2点目は、現役世代の賃金下落に合わせ給付額を減らす新たな仕組みだ。現在は物価が上昇していれば賃金が下がっても高齢者の生活に配慮し給付額を据え置いている。物価が下落し賃金がさらに下落した場合も、現在は物価に合わせ給付額を引き下げるが、今後は賃金に合わせて引き下げる。21年度から実施する。
 このほか、老後の生活資金確保のため従業員500人以下の企業でも労使合意があれば、一定の要件を満たすパート労働者らの厚生年金加入を来年4月から認める。501人以上の企業では今年10月から認めており、対象を拡大した。
 年金改革法では、賃金下落に伴い高齢者の給付額が減るため、民進党は「年金カット法案」と批判したが、低所得者への支援に関する議論は国会で十分に進まなかった。給付額抑制で生活保護世帯の増加も懸念される中、年金を含む社会保障制度全体でのセーフティーネット構築が課題だ。 

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