図解
※記事などの内容は2017年12月11日掲載時のものです
政府は11日、「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」(本部長・菅義偉官房長官)の会合を首相官邸で開き、情報の共有・分析を目的とする省庁横断の新組織創設を柱とするテロ対策推進要綱を決定した。2020年東京五輪・パラリンピックなどを見据え、来年夏に設置してテロの未然防止に万全を期す。
菅氏は会合で「19年ラグビーワールドカップ、20年東京五輪・パラリンピック競技大会の開催を控え、国際社会と緊密に連携して対策に万全を期さないといけない」と述べ、政府の体制を強化する方針を示した。
テロ情報の収集は現在、首相官邸を司令塔とする「国際テロ情報収集ユニット」や在外公館の担当官らが担い、「国際テロ情報集約室」(室長・杉田和博官房副長官)が一元管理している。しかし、集約室が各省庁の情報を照合しようとすると一定の手続きが必要となるなど、迅速さに欠ける面があった。
推進要綱は、集約室の中に「国際テロ対策等情報共有センター」(仮称)の新設方針を明記。同センターに外務省や警察庁、国土交通省など11省庁の担当者を常駐させ、煩雑な手続きを経ることなく、政府内で情報を速やかに共有・分析できる体制を整備する。ユニットの体制も拡大する。
要綱には、駅や空港といった不特定多数が集まる場所がテロの標的となるソフトターゲット対策も盛り込まれた。具体的には国交省にワーキンググループを設置し、鉄道や航空事業者と連携を強化し、警戒警備体制の構築を図る。
テロ発生時の救護体制を強化するため、爆発などを受けた負傷者を搬送する体制整備や治療を施せる外科医の養成も進める。
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