図解
※記事などの内容は2019年7月26日掲載時のものです
政府は26日、知的財産戦略本部の有識者会議を東京都内で開き、漫画やアニメをインターネット上に無断掲載する「海賊版サイト」対策について、改めて検討に入った。アクセスを強制遮断する閲覧防止措置(ブロッキング)の法制化をめぐり、出席者から早期の議論再開を求める意見が出た。同日提示された総合対策案には、先に関連法案提出が見送りになったダウンロード違法化を速やかに進めることなどが明記された。
海賊版対策をめぐっては、政府は当初、ブロッキングの法制化などを柱に検討してきた。しかし、憲法が保障する「通信の秘密」を侵害しかねないとの反対論が根強く、先の通常国会への関連法案提出を断念した経緯がある。
ブロッキングの法制化に関し、総合対策案は「他の取り組みの効果や被害状況などを見ながら検討」との記述にとどまった。これに対し、26日の会議では、出席委員が「一刻も早く議論を再開すべきだ」と主張。別の委員は、ブロッキングの法制化断念など政府の海賊版対策の迷走ぶりを念頭に、「手続き論と結論が曖昧だ」と苦言を呈した。
政府には、ブロッキングへの懸念を払拭(ふっしょく)しつつ、実効性のある対策を取りまとめることができるかが課題となる。
総合対策案は、不正なコンテンツのダウンロードを違法とするための速やかな法整備を明記。海賊版サイトへの広告出稿の抑制に向けたガイドライン策定の推進や、青少年向けに有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」機能の普及促進、海賊版サイトにインターネット利用者を誘導する「リーチサイト」規制の法案提出へ準備を進めることも盛り込んだ。
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