図解

【図解・行政】毎月勤労統計の調査手法の変更をめぐる動き(2019年2月)

毎月勤労統計の調査手法の変更をめぐる動き

調査変更、元担当者が官邸の影響否定=野党は「忖度」疑念強める

※記事などの内容は2019年2月22日掲載時のものです

 毎月勤労統計問題をめぐり、衆院予算委員会は22日、厚生労働省の姉崎猛・元統計情報部長を初めて参考人招致した。姉崎氏は調査手法を変更する直前、中江元哉前首相秘書官(現財務省関税局長)から「問題意識」を伝えられている。姉崎氏は自身の判断だとして否定したが、厚労省が委員会後に公表したメールの写しには同氏の主張と矛盾する内容が含まれており、週明けの予算委で野党が追及を強めるのは必至だ。
 姉崎氏は、2015年9月14日午後に中江氏と面会。同日は、姉崎氏が事務局を務めた厚労省有識者検討会の中間的整理の案文が書き換えられており、調査対象事業所の抽出方法についての記述が「総入れ替え方式が適当」から「引き続き検討」に変わった。18年1月から、平均賃金が高く出ることの多い部分入れ替え方式が導入されている。
 野党側は、森友・加計学園問題と同様に、官僚が安倍晋三首相らの意向を忖度(そんたく)し、アベノミクスの成果を大きく見せようとしたとの疑念を強めている。22日の審議では、中江氏から姉崎氏へ圧力があったかどうかを厳しくただした。
 姉崎氏は、面会時に中江氏から「『実態把握の観点から部分入れ替えもあるのではないか』とのコメントがあった」と明かした。ただ、勤労統計は総入れ替えの前後で数値が大きく変動するため、以前から問題意識を持っていたと強調。「中江氏の示唆が大きな原因になったというのは違う」と言明した。
 統計部長就任を「(調査を)見直すいい機会」と捉え、15年9月14日の面会前か同11日に中間的整理の案文書き換えを部下に指示。「『こういう結論になる』とは(中江氏に)言わなかったと思う」とも語った。
 一方、中江氏は面会について「思い出せない」と重ねて語り、面会記録の有無を官邸の秘書官室に照会していないなど、事実解明に消極的な姿勢を見せた。予算委に臨むに当たり周囲の助けを得たか問われ、しどろもどろになる一幕もあった。
 野党側は、15年9月14日に厚労省職員が検討会の阿部正浩座長に「委員以外の関係者から、部分入れ替えで行うべきとの意見が出てきた」と伝えたメールも取り上げた。根本匠厚労相は先に、この関係者について「中江氏だと思われる」と答弁している。姉崎氏は「担当者が私から(の意見)だとは言いにくく、『委員以外の関係者』という言葉を使ったのではないか」と述べ、関係者は中江氏ではないと主張した。
 だが、公表された複数のメールの写しには、「関係者」とは別に「姉崎部長の意向もあります」と記されている。同4日のメールには「検討会の検討結果は官邸関係者に説明している段階」、同14日は「突然の方針変更でご迷惑をお掛けする」との記述があるほか、同8日には姉崎氏が直前まで部分入れ替えに消極的だったことをうかがわせる内容が含まれ、同氏の説明は揺らいでいる。 

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